「18、19歳の実名報道可能」法制審議会が答申

犯罪を犯した少年たちの実名が今後、公表されることになるかもしれません。起訴されれば少年でも実名報道が可能とする少年法の改正案の要綱が29日、まとまりました。かつて犯罪を犯したある男性は、こうした流れにある不安を覚えています。

「(Q.1回目の少年院は窃盗、2回目は)2回目も窃盗ですね」

JNNの取材に応じたこの男性は、19歳で生活費を稼ぐために万引きを繰り返し、少年院を2度、経験。今は少年院で出会った支援者の協力のもと、社会復帰を目指しています。

「少なくとも僕であれば、報道されましたとなって、名前も分かっています、姿も分かっていますとなれば、社会復帰はしようと思わなくはなりますよね」(少年院を2度経験した男性)

男性は、実名報道を禁じた少年法に「守られていた」と感じていますが、その少年法が大きな転換点を迎えようとしています。

29日に開かれた法制審議会の総会。少年法改正案の要綱を取りまとめました。今の少年法では、「社会復帰の道を閉ざすおそれがある」として、名前や年齢、職業など、本人を特定できる報道を禁止していますが、要綱では18歳と19歳の少年が事件を起こした場合、起訴されれば成人と同様に名前や顔写真など本人を特定する報道が可能としています。

法改正されれば、犯罪を犯した少年の環境は大きく変わることになります。実名報道が可能となる内容に、少年院を経験した男性は・・・

「名前も出ないし姿も出ないから、何やってもOKというやつらは中には必ずいます。そういうのはさらされてしかるべきだと僕は思っています」(少年院を2度経験した男性)

男性はこう話す一方で、社会復帰への不安も打ち明けます。

「仕事もたぶん厳しくなりますし、仮に仕事できたとしても後ろ指は指されますし。『お前のせいで』って家は引っ越さざるを得ないし。やってきたことに対する報いといえば確かにそうなのかもしれないんですけど、(社会に)戻っても別に更生する必要はないよねって思う人は、たぶん出てくるのかなとは思いますね」(少年院を2度経験した男性)

法務省は、この要綱に基づいて少年法の改正案を来年の通常国会に提出したい考えです。

(Nスタ 2020年10月29日放送)

#少年院 #犯罪 #実名報道

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