暴風域の外なのに…宮崎市で“突風”車横転でけが人も“史上最強クラス”台風10号【報道ステーション】(2024年8月28日)

非常に強い勢力を保ったままゆっくりと進む台風10号。気象庁は鹿児島県に『台風による特別警報』を発表しました。最大限の警戒を呼び掛けています。

不安定な天気は列島全域をおおっていて、岩手県北上市では1時間で110ミリという猛烈な雨が振りました。

■暴風・波浪・高潮の特別警報も

世界自然遺産の屋久島は28日午前中から暴風域に入り、最大瞬間風速46.8メートルが観測されました。

鹿児島県内では午後9時時点で約2万7000軒が停電しています。そして、午後7時半過ぎになって
線状降水帯が発生。屋久島がすっぽり収まるような形でした。

屋久島よりさらに九州に近い種子島も暴風域に巻き込まれていて、最大瞬間風速38.0メートルとなっています。

島の障害者支援施設の入口には止められたバス。これにも意味がありました。

障害者支援施設あかつき園 山成剛施設長
「風よけの対策として大きい車両を玄関前に止めて、なるべく風が直接当たらないような措置を取っている」

浴槽に水を貯めて万が一に備えます。ただ今回、いつも通りの準備が間に合わなかった部分も…。

障害者支援施設あかつき園 山成剛施設長
「(Q.このランタンは緊急で用意した)いつも台風前にリース会社から非常用電源を借りるが、今回借りられなかった。完全ではないので、その時その時に皆と話し合いながら色んな対策をやっていけたら」

史上最強クラスの台風10号は、29日にかけて九州南部に接近。その後、九州に上陸する見込みです。これまでに経験したことがないほどの危険な状況が予想されていて、気象庁は鹿児島県に、台風による暴風と波浪、そして高潮の特別警報を発表しました。台風の特別警報は天気が荒れる前に出されるのが特徴です。

気象庁 杉本悟史予報課長
「暴風が吹き始める前に頑丈な建物の中に移動する。屋内では窓から離れてください。暴風が吹き出してからでは避難は難しくなる」

■暴風域の外なのに…

ところが、まだ暴風域に入っていない九州南部でもう被害が出ています。宮崎市で竜巻とみられる突風の目撃情報が相次ぎました。突風被害は広い範囲で確認されていて、車の横転などにより4人が負傷しました。近くの幼稚園では…。

光が丘幼稚園 下苙敏大園長
「最初は海の荒れた音かなと思っていたら、だんだん大きくなって、ぱっと見たら渦を巻いて色んな物がまかれて『竜巻だ』とすぐ避難させた」

当時、現場周辺は台風10号からの湿った空気の影響で大気の状態が不安定に。竜巻などの突風が発生しやすい状況でした。

宮崎市では倒れた看板が車に直撃する被害も出ています。

看板が倒れた店の店長 三藤圭一さん
「外は横風が強くてホワイトアウトしているような状況。客の車でもなかったし、従業員の車でもなかったし、自分の車だけだったので、そこは一番良かった」

■ガソリン“車1台2000円まで”

鹿児島市内のガソリンスタンドでは、台風の影響を受けてガソリンの需要が高まっていて、在庫不足により1台につき2000円までに制限をして販売していました。

エコスタンド統括マネージャー 中村哲人さん
「あと1日持つか持たないかというところ。鹿児島県にも船が台風の影響で着けない。在庫が少なくなっている状態」

台風が接近していることで普段より5時間近く閉店を早めました。街中もすっかり台風モードに。

下村彩里アナウンサー
「雨風が強まり、台風が近付いて来ています。鹿児島市内の駅直結の大型商業施設では、入り口前にたくさんの土嚢が積まれていて、シャッターは固く閉じています。28~29日と臨時休業だといういことです」

まだ上陸前なのに、鹿児島県でも少なくとも4人の負傷が確認されています。

■東北にまで届く台風の影響

今回の台風は遠く離れていても油断できません。岩手県北上市付近では、午後6時までの1時間に約110ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、気象庁は記録的短時間大雨情報を発表しています。

27日夜に線状降水帯が発生したのは盛岡市でした。米内川では28日も茶色く濁った水がものすごい勢いで流れています。そして道路には流れ着いたのか、木やタイヤ、パレットなどが川沿いに積み上げられていました。

その雨は、6時間雨量210.5ミリと観測史上最大を記録。住宅15軒の浸水被害が出ましたが、けが人は確認されていません。

27日夜、愛知県蒲郡市では土砂崩れが発生しました。流れ出た土砂や流木は道路にまで達していて、かろうじて残っていた車が、この場所に営みがあったことを物語っています。ここには農業用の倉庫と、2階建ての住宅が建っていて、当時、自宅いた30代~70代の家族5人が生き埋めとなりました。

雨のなか、自衛隊も加わった110人態勢での捜索。大きな壁や梁(はり)は、その場で切って一つひとつ手作業で運び出していきます。そして40代の女性2人を救出。どちらとも意識があったといいます。

さらに、通報から14時間を経た午後2時過ぎには、70代の女性を発見。ただ、病院で死亡が確認されました。現場では29日夜、新たに1人見つかっていて、夜を徹しての捜索が行われています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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