和歌山市で、岸田首相の演説直前に爆発物が投げ込まれた事件で、逮捕された男が、昨年、国会議員の選挙制度に不満を持ち、国を相手に裁判を起こしていたことがわかりました。
この事件は、兵庫県川西市の木村隆二容疑者(24)が、岸田首相の演説会場で、爆発物を投げ込んだとして現行犯逮捕され、17日に送検されました。
木村容疑者は黙秘を続けていて、動機はわかっていませんが、国の選挙制度に不満を持ち、神戸地裁に裁判を起こしていました。
裁判資料によりますと、木村容疑者は、昨年7月に行われた参議院選挙に、立候補しようとしたものの、被選挙権をみたさず立候補できなかったことで、精神的苦痛を受けたとして、国に対し10万円の損害賠償を求めていました。
訴えは退けられ、大阪高裁に控訴しています。
また、昨年9月には、木村容疑者とみられる男が、当時の川西市議会議員の市政報告会に参加し、被選挙権について「憲法違反だ」と話していたこともわかりました。
一方、爆発があった演説会場の漁港では、18日朝から警察のダイバーが、会場のすぐ横にある海に入り、爆発物の破片の捜索を行っています。
現場では、爆発物の本体の一部とみられる筒状のものや、ボルト数個が、40メートルほど離れた場所で見つかっていて、警察は、木村容疑者が爆発物を自作したとみて、殺傷能力があるかないかを慎重に調べる方針です。
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