安倍総理は14日、記者会見を開き、39の県について、緊急事態宣言を解除すると表明しました。そのうえで、“3つのお願い”を提示しました。
安倍総理:「第一は少しずつ段階的にということ。人との接触を減らす努力は続けていただきたい。第二は前向きな変化は、これからも続けてほしいということ。時差通勤など有効であり、これからも続けていただきたい。第三は日常のあらゆる場面で、ウイルスへの警戒を怠らないでいただきたいということ。“3つの密”を生活のあらゆる場面で避けていただきたい」
解除か継続かの判断基準については、『直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者が0.5人程度以下』という数値が基準の一つだといいます。ただ、『特定警戒都道府県』に、この基準を当てはめてみると、兵庫県は0.38と、基準を下回ったにもかかわらず、引き続き、緊急事態宣言の対象となりました。石川県は1.32と、基準を上回りましたが解除となりました。政府は、地域の医療提供体制や十分な監視体制が取れているかなども含めて“総合的に判断した”と説明しています。
安倍総理は、残る8都道府県の解除のタイミングについて、21日に改めて判断するとしました。また、追加の経済対策についても言及しました。
安倍総理:「雇用調整助成金を抜本的に拡充する。1日1万5000円まで特例的に引き上げる。第一次補正予算を強化するため、ただちに第二次補正予算の編成に着手する」
14日に開かれた諮問委員会に、初めて、経済の専門家が加わりました。東京財団政策研究所の小林慶一郎研究主幹は「今の目標である2万件の検査よりも多いPCR検査を実現して、消費者や労働者が安心して経済活動をできるような社会を作っていかないといけない」とする一方、「解除することで人々の交流が盛んになって、今、隠れている感染が急激に増えることが起こりえる。もう一回、緊急事態があって経済が止まる繰り返しが起こることを、それが一番の懸念」と話します。
安倍総理は会見で、「2度目の緊急事態宣言」にも触れました。
安倍総理:「一人ひとりが十分な警戒を怠れば、2週間後の未来は予断を許さない。感染者の増加スピードが高まってくれば、2度目の緊急事態宣言もありうる」
非常事態宣言が解除される県では、再開に向け、準備が始まっています。
福島県郡山市の『ホテルバーデン』では、ホテルだけでなく、隣接する温泉施設と、グラウンドゴルフ場も休業していますが、16日から宿泊と宴会以外を、約2週間ぶりに再開させることにしました。レストランでは、イスを3分の1程度に減らすなど、対策を進めています。18日から営業を再開する宮城県仙台市の水族館では、感染予防対策として、サーモグラフィーによる入館前の検温の実施や、入館人数の制限などを設け、観覧席の座席数も減らし、人と人の間隔を保つとしています。
特定警戒都道府県のうち解除された茨城県。つくば市のタクシー会社は、外出自粛の影響で、売り上げは8割も減りました。宣言の解除について、タクシードライバーは「まだ早いかなって感じ。大都市が解除にならない限り、茨城にお客さんが来るかって言ったら来ない」と不安を口にします。また、現在のようなテレワークが定着してしまうことも、不安の要因です。大曽根タクシーの相談役・塚本一也さんは「6割ぐらいが東京から来たビジネス客。研究所に打ち合わせに行く客が2割ぐらい。テレワークなんかも、当然、企業で多くなるだろうし、そうなるとこれまでのような需要がなくなることも予測されるので、以前のような実績に戻るのは難しい」と語ります。
特定警戒都道府県でも、東京、大阪、京都など、8つの自治体は解除が見送られました。
休業要請解除に向け、独自のモデルを掲げる大阪府では、感染経路がわからない患者の人数など、3つの基準を7日連続で満たせば、段階的に解除するとしました。13日に達成され、16日から“解除”が始まります。大阪府は14日夜、対策本部会議を開き、自粛を解除する業種や、解除後の『感染防止マニュアル』について検討しました。マニュアルにはトイレの使い方など、全ての業種に共通する具体的な感染防止策が示され、営業形態などを16に分類し、個別の対策を求めるとしています。府は、酒を提供する飲食店の営業を2時間延長し、集団感染が発生したライブハウスや接客を伴う夜の飲食店は、まだ感染拡大の可能性があるとして、引き続き、営業自粛を求めています。吉村知事は「もし、21日に国から緊急事態宣言を解除するということがあれば、その時点で22日にもう一度、判断したい」と述べました。
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