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政府は21日、大阪、京都、兵庫の3府県で、緊急事態宣言を一括解除する方向で検討していることがわかった。
そんな中、解除が見通せず、コロナ不況で閉店に追い込まれるケースがあとを絶たない。
取材班が向かったのは、東京都内にある金や貴金属などの買い取り専門店「ゴールドプラザ銀座本店」。
今、金を売却する人が多く詰めかけているという。
東京商品取引所の金の先物価格は、19日、1982年の取引開始以来、史上最高値となる1グラムあたり一時6,133円を記録した。
ゴールドプラザ・川崎拓鑑定士「この急激な(金の)上がり方は、業界も、われわれもですね、ものすごく驚いている状況であります。史上最高価格を更新いたしまして、その影響を受けてご来店が増えているのかなと思っています」
“コロナ不況”と呼ばれるほど、世界経済が危機的状況にある中、「有事の金」として需要が高まっていた。
葛飾区で49年にわたって営業を続けてきた老舗洋食店「うちだ」。
ここも、コロナ不況に翻弄(ほんろう)されていた。
ボリューム満点の牛ヒレ肉を使用した名物の「ビフテキ」は、地元の人の胃袋を満たしてきた。
しかし、感染拡大の影響で売り上げが9割減少。
5月25日に閉店することを決めた。
常連客「47年通っているんだよ。それでとうとうきょう、涙が出てきちゃう。がっかりしちゃってさ。まさか、やめるとは思っていなかったからさ。がっかりだよ、本当に何とも言えない」
今の店主・内田勝利代表は、一代で49年も営業を続けてきた。
しかし、地元に愛された店も残すところ、あと6日となっている。
内田代表「お店の前の子どもからもらった絵があったり、そういうことが、今まで長く続けられた1つじゃないですかね。本当に残念だと思う。皆さんに申し訳ない。行く場所がなくなる、それがね…何よりもつらいですね」
コロナ不況で相次ぐ閉店。
しかし、店を閉めて終わりというわけにはいかない。
閉店にも、多額の費用が求められるケースがある。
カリカリふわふわで愛された“メロンパン”。
このメロンパンが食べられるのも残りわずかとなった。
東京・北区にある「東京メロンパン駒込店」も閉店を決めた。
東京メロンパン・角田豊代表「いつまでもうかるかどうかわからない状況で、いつまでも継続していくのは難しい。今少しギリギリでやってますけども、退去という形で…」
しかし、これで苦境に終わりを告げられるわけではない。
閉店を決めても、さらに多くのお金が必要になる。
通常、借りていた店舗を返す場合、内装や設備などを入居前の状態に戻さなければならない。
この工事費が、この店の場合、50万円から60万円にのぼる。
さらに重くのしかかるのが、次の借り主が決まるまで払い続けることとなる家賃。
この閉店でかかる費用を少しでも減らそうと始まったのが、「退去NAVI」と呼ばれるサービス。
入居者と退去者をマッチングさせることで、新たな借り主を見つけやすくした。
借り主が見つかれば、閉店後も家賃を払い続けることがなくなる。
さらにこのサービスの大きな特徴は、設備や家具などをそのままにした“居抜き物件”を扱っていること。
これにより、少ない工事費で抑えられるという。
退去NAVIの登録件数は、開始当初の3月にはおよそ120件だったが、現在、3倍近い335件に急増している。
退去NAVIを運営する「アクトプロ」の新谷学代表取締役は、「小さな飲食店でも、数百万の退去費用は結構かかるので、何百万円も本来かかる費用が、ゼロになった喜びの声は多い」と話す。
今も、8つの都道府県で続く緊急事態宣言。
政府は、21日に解除するかどうかの判断をする。
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