ペロシ下院議長 今夜、台湾を訪問か 「攻めてくる敵はすべて葬り去る」中国側は激しくけん制|TBS NEWS DIG

アジア歴訪中のアメリカのペロシ下院議長が今夜、台湾を訪れるとの見方が強まっています。中国政府は、きょうも「断固で力強い措置を講じる」と反発を強め、緊張が高まっています。

これは、中国人民解放軍が軍創設記念日のきのう、公開した動画。「準備を整えて待ち構え、命令に従い戦う」というタイトルがつけられています。こんなメッセージも。

「攻めてくる敵はすべて葬り去る」

中国が神経を尖らせる背景にあるのは、アジア歴訪中のアメリカ・ペロシ下院議長の台湾訪問の可能性です。

複数の台湾メディアは、ペロシ議長が今夜台湾を訪れ、あす、蔡英文総統と会談すると報道。ペロシ氏は、きのう、きょうにかけシンガポールとマレーシアを訪問し、日本と韓国も訪れる予定ですが、台湾には日韓に先立ち、マレーシアから向かうと報じられています。

一方、中国では、台湾の対岸、福建省南部での訓練映像がきょう公開されたほか、SNS上には、その福建省などを移動する軍用車両とされる映像も投稿されています。

習近平国家主席が異例の3期目を目指す共産党大会を秋に控える中国、市民の反応は。

北京市民
「中国の主権に対しての挑発だ。あってはならない」
「面倒なことになる。中国のことは放っておいてほしい」

30年近く前、当時の台湾・李登輝総統の訪米後には、台湾近海でミサイル発射実験を行った中国。今回、どう動くのか。

アメリカ政府高官は、中国が▼台湾周辺でのミサイル発射や、▼台湾の防空識別圏への大規模な進入などの措置をとることが考えられると指摘。

また、ロイター通信は関係筋の話として、複数の中国軍機がきょう午前、台湾海峡の中間線に接近したと伝えています。

こうした中、外交の動きは。

アメリカ ブリンケン国務長官
「ペロシ下院議長が台湾訪問を決めた場合に、中国が何らかの危機を起こしたり緊張を高めようとすれば、それは完全に中国の責任だ」

これに対し、中国からは。

中国外務省 華春瑩報道官
「米国が独断専行すれば必ず断固で力強い措置を講じ、中国の主権と安全の利益を守る」

中国外務省は、改めてアメリカを強くけん制しています。

ペロシ氏の台湾訪問が実現すれば、現職の下院議長としては25年ぶり。当時の議長・ギングリッチ氏は、これまでのバイデン政権の対応について。

ギングリッチ元米下院議長
「中国共産党をなだめられると思っているのなら、完全に歴史を読み違えている」

一方、アメリカメディアからは、ロシアのウクライナ侵攻が続く中、「アメリカは台湾をめぐって中国と衝突するリスクを負う」とし、ペロシ議長の訪問を「これ以上、悪いタイミングはない」とする批判や、「訪問が、どれだけ利益をもたらすか不透明だ」といった指摘が出ています。

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