ドローンが捉えた“激戦地”の徹底抗戦・・・西部も再び戦火に「誰もが死ぬ可能性ある」(2022年4月19日)

 ロシア側の降伏勧告を拒否したウクライナの激戦地・マリウポリでは、徹底抗戦が続いています。ドローンが、その一部始終を捉えていました。

■避難生活1カ月半・・・4歳児「家に帰りたい」

 まだ4歳のアリーサちゃんは、衛生兵の母親と共に1カ月半もの間、マリウポリの避難所で生活しています。

 マカルくんは、7歳の誕生日を砲撃のなかで迎えることになりました。

 マリウポリの子どもたちが、笑顔で日常を送る日はいつになるのでしょうか。

 頭にけがを負った少女は、砲撃に巻き込まれました。

 砲撃に巻き込まれた市民:「彼女(めい)は、負傷者なんです。家に入ろうとした時に、砲撃に遭いました。 脚と頭にけがをしているんです。彼女の母親は、買い物に行ったままいなくなり、どこにいるのか分かりません」

 2人は、「Z」と書かれた軍事車両に荷物を積み、ロシア軍の戦車で、避難を余儀なくされました。

 マリウポリ市長は、すでに4万人以上が、ロシアの支配地域へと移送されたと発表しました。

■街の6割占領・・・“陥落間近”も徹底抗戦

 「降伏しなければ、全滅させる」という最後通告から、36時間が経過しようとしているマリウポリ。すでに、街の6割が占領され、陥落間近とも伝えられています。しかし、ウクライナ軍は、徹底抗戦の構えを見せています。

 アゾフ連隊が公開した、マリウポリでのロシア軍への反撃とされる映像です。

 ロシア軍の車列に複数の兵士たちが近付いていき、銃撃を始めます。その後、車が破壊されると、兵士は建物の裏手へ回り込み、塀の向こうから、手りゅう弾らしきものを投げ込みます。

 今も、こうした市街戦が、あちこちで繰り広げられているといいます。

■アゾフスタリ製鉄所・・・爆撃に備えた施設も

 ウクライナ側の最後の拠点となっているとみられるのが、アゾフスタリ製鉄所です。

 以前公開された製鉄所の映像では、様々な構造物が複雑に入り組んでいて、立てこもるには適した場所です。

 親ロシア派との紛争が発生した2014年以降、地下に爆撃に備えた施設が設けられたといいます。

 アゾフスタリ製鉄所・ツキティシュビリ社長:「何かが起こることは、2014年以降、分かっていました。36カ所に防空壕(ごう)を設置し、(有事に)備えました。空爆の直撃を受けても、防空壕はびくともしませんでした」

 そのアゾフスタリ製鉄所への攻撃とされる映像です。ロシア側によると、中にはウクライナ軍の兵士2500人がとどまっていて、「これ以上、抵抗すれば、すべて破壊する」としています。

■製鉄所に民間人・・・攻撃以外に“食料”問題

 ただ、ここには、多くの民間人がいます。

 アゾフスタリ製鉄所・ツキティシュビリ社長:「現在、民間人は、247人が避難しています」

 避難所には、子どもに老人、乳児の姿もありました。ロシアの攻撃以外に、食料の問題もあります。

 アゾフスタリ製鉄所に避難している人:「最初は、食料が1年間分あると言われていた。その後、1カ月しかないことが分かった。今は、もう分からない」

 未明に公開されたアゾフスタリ製鉄所の映像では、空爆後に地下設備で火災が発生し、黒煙が上がっていました。

 さらに、マリウポリ全体では、10万人以上の市民が残っており、戦闘の激化で、さらなる民間人の犠牲が懸念されます。

■ロシア旗艦「モスクワ」沈没の瞬間

 ウクライナ側は、侵攻作戦中に沈没したロシアのミサイル巡洋艦「モスクワ」の様子を公開しました。

 画像からは、モスクワとみられる軍艦の前方部分が損傷し、全体が左側に傾いて、煙を上げているのが分かります。

 ウクライナ側は、モスクワに対艦ミサイル「ネプチューン」を命中させたと主張。ロシア国防省は、弾薬が爆発して損傷したとしています。

 モスクワの沈没後、ロシアは、ウクライナの首都キーウへのミサイル攻撃を拡大すると発表しました。

■空裂く巡航ミサイル「誰もが死ぬ可能性」

 実際に、ここ数日、首都キーウ近郊への攻撃が相次いでいます。西部リビウも、再び戦火にさらされました。

 市の中心部のホテルの屋上から、着弾地点と見られる場所が見えます。真っ黒な煙が、空に向かって立ち上っています。おそらく、市の中心部から数キロの地点と思われます。

 州知事によると、自動車工場やウクライナ軍の施設が攻撃され、合わせて7人が死亡。子ども1人を含む11人がけがをしました。

 現地では、巡航ミサイルとみられる映像が捉えられています。

 目撃者:「頭上を飛んでいくミサイルの音は、耳鳴りがするほどでした。ほんの一瞬で見えなくなり、次の瞬間には爆発音がしました。あまりにショックで、泣き出す人もいました」

 比較的安全とされてきたリビウ。攻撃を受けるのは、およそ3週間ぶりのことです。

 リビウ州・コジツキー知事:「自動車修理工場では、4人が仕事に出たばかりだった。ロシアは、恐怖を作り出そうとしている。どこも安全ではなく、誰もが死ぬ可能性があると証明したいのだろう」

(「グッド!モーニング」2022年4月19日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

powered by Auto Youtube Summarize

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事