ロシア国防省はマリウポリの市街地全域からウクライナ軍を完全に排除したと発表しました。タス通信は、ロシア国防省の高官が日本時間の17日午後7時までにウクライナ兵に投降するよう求めたと伝えています。
ウクライナ南東部のマリウポリにあるイリイチ製鉄所建物。破壊しつくされ、閑散としています。
この製鉄所について、ウクライナは「ロシア軍は、今のところ完全に占拠していない」としていますが、ロシア国防省は「イリイチ製鉄所をウクライナ民族主義から完全に開放した」とし、包囲攻撃していた市街地全域からもウクライナ軍を完全に排除したと発表しました。
マリウポリ最後の砦(とりで)とみられるのは、アゾフスタリ製鉄所です。
ロシア国防省は抵抗の拠点となっている製鉄所についても封鎖し、残る兵士も2500人以下だとして投降を呼び掛けました。
ロシアのタス通信は、ロシア国防省の高官が日本時間の午後7時までに武器を置いて退去したことが確認できるようウクライナ兵に求めたと伝えています。
これに対し、ゼレンスキー大統領は危機感をあらわにしました。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「マリウポリの状況は非常に困難で、非人道的な状態になっている。そのような状態にしたのはロシアだ。意図的にそのような状態にさせ、我々の都市を滅ぼし続けている」
今後の停戦交渉の鍵を握るとされるマリウポリ。ゼレンスキー大統領は中止も辞さない構えです。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「マリウポリの軍を全滅させた場合、いかなる形の交渉も停止する可能性がある」
まもなくロシアが求めている期限の日本時間の午後7時を迎えますが、現在のところ両国から新たな発表はありません。
一方、ウクライナ東部など各地で激しい攻撃が続いています。
第2の都市ハルキウでは、街の中心部をミサイルが直撃。州知事は1人が死亡し、18人が負傷したとSNSで明らかにしました。
また、首都キーウでもロシア軍による空爆が続いていて、再び緊張が高まっています。
キーウへの攻撃再開はロシアの巡洋艦「モスクワ」が沈没したことへの報復の可能性があります。
アメリカの経済紙フォーブスによりますと、沈没した「モスクワ」の価値は約950億円で、ウクライナ軍がこれまでに破壊したとするロシア軍の装備品のなかで最も高価だったといいます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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