首都キエフや西部に空爆 南部では「市長拉致」相次ぎ・・・親ロシア派の“新市長”誕生(2022年3月14日)

ロシアによる攻撃はウクライナの首都キエフ中心部へと迫っています。こうしたなか、4回目の停戦協議がオンラインで行われました。

ウクライナ側は、今回の交渉に「数日中に何らかの結果が示せるのではないか」と期待を寄せていました。

ウクライナ代表団、ポドリャク大統領府顧問:「ウクライナの立場は揺らがないが、建設的な話し合いが始まっている」

ところが、ウクライナの「中立化」や「非軍事化」を求めるロシア側の姿勢に変わりはなかったようです。

ウクライナ代表団、ポドリャク大統領府顧問:「交渉は進んでいるが状況は難しい。意見が割れているのは、政治的な見解が異なるからです」

今もキエフは、激しい砲撃にさらされています。14日午前5時ごろ、中心部から20キロしか離れていないオボロン地区のアパートが攻撃を受けました。この空爆で1人が亡くなり、12人が負傷したといいます。

少年:「ママに起こされたら、煙が充満して、ほこりがすごくて物置に隠れました。ドアから入ってきたロシア兵に捕まるかと思いました。すべてが燃えていました」

その後、キエフの別のアパートも攻撃を受けました。

早々に占領された南部のメリトポリでは、ロシア側が新たな市長を就任させました。親ロシア派の元市議会議員だった女性です。

メリトポリ・ダニルチェンコ新市長:「尊敬するメリトポリの皆様、今の私たちの課題は“新しい現実”に合わせた組織の構築です。国民に選ばれた代表者による委員会の設立を検討しています。メリトポリの行政を担うのは、この委員会です」

もともとの市長だった、フェドロフ氏はこの2日前、武装集団に連れ去られ、親ロシア派の検察によってテロの罪で起訴されています。同じ州内では、ドニプロルドネの市長もロシア軍に連れ去られました。こうした事態を受けて、ザポリージャ州知事は現地メディアに「戦争犯罪が組織的になっている」と話し、ロシア側を非難しています。

ここにきて攻撃の激しさを増しているのが、ポーランド国境に近いウクライナ西部です。13日に空爆を受けた基地は、NATO加盟国によるウクライナへの軍事支援の拠点でした。

ウクライナ兵:「ポーランドまでミサイル攻撃を受けるかもしれない。我々だけではなく、ヨーロッパの心配もしなければならない。ヨーロッパに私たちの声が届いてほしい。自分の身を守ってください」

ミサイル8発が着弾し、35人が死亡、134人が負傷したとされています。この基地は先月、アメリカ軍が提供した軍事ロケットの発射訓練が行われた場所です。

今回の空爆について、ロシア国防省は「この施設は外国人の傭兵訓練と外国から調達した武器の保管庫として使われていました。外国人の傭兵180人と、海外製の武器を大量に駆逐しました」と発表しましたが、ウクライナ側は即座に否定しています。

こうした西部への空爆は、何を意味するのでしょうか。

アメリカ、サリバン大統領補佐官:「プーチンは、キエフを始め主要都市への攻撃が期待通りに進まず、そのいら立ちから標的を増やし、あたり構わず全土で傷痕を残そうとしている」

そのうえで、中国政府に対しては、報復をも示唆して強くけん制しました。

アメリカ、サリバン大統領補佐官:「ここで公然と脅しをかけるつもりはないが『大規模制裁の回避や補給などの支援には相応の措置をとる』と中国政府には直接伝えている」

CNNは、アメリカ政府高官の話として、ロシアが中国にドローンの提供など様々な支援を要請しているとしています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は日本時間14日午後9時過ぎ、新たな動画をFacebookで公開しました。

ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「侵略者はまだ我々の土地にいる。全力で戦おう。街を村を守ろう。国土の隅々まで守り抜こう。私たちの魂を守ろう」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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