ロシア側は9日、一般市民が避難するための「人道回廊」の設置に合意しました。しかし、ロシア軍は病院を爆撃。多くの子どもが下敷きになりました。
■「人道回廊」都市で・・・子ども病院“空爆”
記者:「爆撃された産科病棟です」
煙が上がるなかを、急いで避難する人々。ウクライナ南部の都市・マリウポリの病院で撮影された映像です。
一時停戦して住民を避難させる人道回廊に含まれる都市で、ロシア軍による大規模な空爆があり、病院は窓も壁も崩落しました。
ゼレンスキー大統領は「子どもたちが、がれきの下敷きになっている」と、非難しています。
ウクライナ・ベレシュチュク副首相:「住民は今回、ロシアに約束を絶対に守ってくれるよう願っています。攻撃から隠れ、避難している人たちが逃げられるように」
■足の悪い人を担架やカート乗せ・・・避難
9日夕方、ロシアとウクライナの双方が合意し、人道回廊はキエフなど5つの都市に拡大されました。
避難した人:「水も電気もなく、避難するしかなかった。家の中は、10度以下だった」
こう話すのは、キエフ近郊のイルピンからキエフに避難してきた人々です。
ウクライナ軍が用意した地雷が並ぶなか、子どもや高齢者が橋を渡っていきます。足の悪い人は、担架やショッピングカートに乗せて運ばれました。
ウクライナ政府は、初めて実現した8日の人道回廊で、スムイから市民など、およそ5000人がポルタワに避難したと発表しました。
■「ロシアはマリウポリに40万人人質」
その一方で、ウクライナ内務省のアドバイザーは、「人道回廊の合意は、ほとんど機能しなかった」と話します。
停戦を合意したはずのマリウポリなどの人道回廊のルートで、ロシア軍による爆撃が行われたというのです。
クレバ外相:「ロシアはマリウポリに40万人の人質をとっている。人道支援や避難を阻み、3000人近くの赤ちゃんの薬や食べ物がもうすぐ尽きる」
マリウポリでは、ロシア軍の攻撃によって、これまでに1300人が死亡したとされています。
■ウクライナ出身歌手「毎日祈ってます」
都内のスタジオで、祖国の状況に心を痛めているのは、ウクライナ出身のソプラノ歌手、オクサーナ・ステパニュックさんです。
キエフのチャイコフスキー音楽院を首席で卒業した後、世界で活躍。2003年から日本を拠点に活動を続けています。
オクサーナさん:「ほとんど寝られない。毎日祈ってます。国のこと、友人のこと、両親のこと、神様に祈っています」
■家族は戦闘決意・・・遠い日本から祖国へ
オクサーナさんの実家は、キエフから南に80キロほどの農村地帯。母親と妹、そして、元軍人の父親は、村に残り戦うことを決めました。
オクサーナさん:「(父は)実家を守りたい、自分の生まれた場所を大事にしたいと。銃を持って毎朝、街を歩いて見守るしかないと」
現在、オクサーナさんは毎朝、家族と連絡を取り続けています。
オクサーナさん:「故郷の状況はどうですか?」
妹・リュボフィさん:「夜中、近くの町で2つのミサイルが住宅に落ちたので大変。でも、私たちが住んでいるところは大丈夫」
遠い日本から、祖国のことを思っているオクサーナさん。
オクサーナさん:「すべてのウクライナ国民のこと、これからもっともっと応援したい」
(「グッド!モーニング」2022年3月10日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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