基礎疾患のある若い人、接種券まだ 40代がん患者「早く打ちたい」 年齢順の名古屋市 (21/06/30 08:00)

ワクチン接種の動きが加速しています。一方、一刻も早くワクチン接種を受けたくても、自治体によっては接種券がまだ届かず、予約できない人たちがいます。「基礎疾患」のある人たちです。

「基礎疾患があるということは病院に通う。やっぱり不安はあったので、打ちたいと思っていた」(加藤那津さん)

 名古屋市の加藤那津さん。ステージ4の乳がんを患っていて、治療のため病院に通っています。

 がん患者は、薬物治療などによって免疫力が下がり、新型コロナに感染した場合、重症化するリスクが高いとされています。加藤さんは、安心して病院に通うためにも早くワクチンを打ちたいという思いがありました。

 しかし、加藤さんの住む名古屋市では、接種券の発送は基礎疾患のある、なしに関わらず年齢で分けたグループ順です。

接種券が届いていない、基礎疾患の患者に接種を

 42歳の加藤さんに接種券が届くのは、当初8月10日でした。市は28日、発送スケジュールを前倒ししましたが、それでも接種券が届くのは、およそ1カ月先の7月26日です。

「近隣自治体でも打てる所と、名古屋市は打てないのと差がある。若くて病気で働けない人たちがどんどん遅くなってしまって、基礎疾患のある人の優先の意味がないのではと思った。これは何かアクション、声をあげないと変わらないと思った」(加藤那津さん)

「接種券が届いていない基礎疾患がある患者への接種ができないか。」

 自身が通院する藤田医科大学病院に働きかけたところ…。

「がんで薬物療法で通院されている方はたくさんいて、担当する医師もこのタイミングで接種してほしいという、治療との兼ね合いからそういう判断をしなければならない。接種券がなくても打ってもいいと国も言っているので、確かに必要なことだなと考えた」(藤田医科大学病院・岩田充永副院長)

 藤田医科大学病院では、薬物治療を受ける通院患者で、主治医が必要だと判断した場合は、接種券がなくても接種できるようになりました。

「患者と主治医で治療を頑張ってきている方が、コロナに感染して重症化するのは本当にもったいないこと」(藤田医科大学病院・岩田充永副院長)

名古屋市に要望書「基礎疾患のある人が早く打てるように」

 そして22日。1回目のワクチンを接種することができました。

「国から基礎疾患の人が優先となっているのが叶えられないのが、もうちょっと何とかしていかないといけないと思う」(加藤那津さん)

 そう話していた加藤さんの姿は29日、名古屋市役所にありました。

 がん患者団体の代表を務める加藤さんは、名古屋市に要望書を提出。基礎疾患のある患者が早期にワクチンを接種できるよう「申告があれば年齢に関係なく接種券を発送すること」や「接種券がなくてもかかりつけ医などで接種できるようにすること」などを求めました。

 これに対して、名古屋市の担当者は「要望に応えられるように早期に検討していきたい」と話しました。

「基礎疾患のある方たちは、不安を抱えて日々過ごしている方が多いので、早く打てるよう実現できればと思っている」(加藤那津さん)

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