ワクチン3回目副反応、接種済みの人の半数以上が「前より強い」

政府が新型コロナワクチンの「3回目」接種を前倒しする方針を示したことを受け、20日都内の高齢者施設では入所者への「3回目」接種が行われました。

今後、対象が拡大される3回目のワクチン接種、気になる副反応について、実際に接種済みの人13人に聞いてみました。すると1・2回目よりも強かったという人が8人、同等が3人、弱かったと答えた人が2人でした。また、供給量の都合から、自治体によっては、1・2回目と異なるワクチンを受けなければなりませんが、こうした交互接種についても、効果など気になることがあります。今後徐々に拡大していく「3回目」について、専門家に見解を聞きました。

■ワクチン副反応 実際は?

南波雅俊キャスター:
東京都江東区では高齢者のワクチン3回目接種が12月20日午後4時から始まりました。その3回目接種で、やはり気になるのは副反応です。

Nスタが3回目接種を追えた男女13人に副反応についてアンケートを行いました。

1回目・2回目と比べて副反応は?

強い・・・8人
同等・・・3人
弱い・・・2人

全体的には強いと答えた人の方が多くなりました。30代女性は「接種当日は腕の痛み、翌日は倦怠感や腰痛など。これらが3日間続いた。2回目よりも副反応が強かった」といいます。その一方で、40代女性からは「1回目、2回目ともに副反応はなかった。3回目も何も出なかった」という声もありました。

ホラン千秋キャスター:
副反応については人それぞれ出方が違うということが、1回目・2回目でわかってはいますが、2回目の接種でも相当きつかったという方も大変多かったと思うんです。3回目に向けて、松本さんはどのように思ってらっしゃいますか?

国際医療福祉大学 感染症学講座 主任教授 松本哲哉医師:
もちろん個人差はありますけれども、2回目と同じようなことは十分あり得るというふうに思います。私も1週間前に打ちましたけど、腕の痛みや倦怠感も含めると、3回目が一番強いなというふうには思いました。ただ、それに備えて、仕事やどうしても外せないようなスケジュールは外しておいた方がいいでしょうし、痛み止めなどもちゃんと準備しておいて使えるようにしておけばいいと思いますので、一応ある程度わかった上で(副反応は)起こることだというふうに考えていただければと思います。

井上貴博キャスター:
これ先々、例えば4回目・5回目も打ちましょうとなった場合なんですが、このタイプのワクチンはずっと体は慣れることなく副反応が出続けるんですか。それともいずれ慣れていくんですか?

松本医師:
この「メッセンジャーRNA」のワクチンを何回も打ち続けたということは今までないものですから。ただおそらくこれだけ効果が強いワクチンですから、副反応もそこそこ出続けるんじゃないかとは思います。

■交互接種も必要に

南波キャスター:
ワクチン3回目接種については、どのメーカーのワクチンかというところも気になってきます。多くの自治体では、例えばA会場ではファイザー社製、B会場ではモデルナ社製という形で会場で分けているパターン。それから、同じ会場でもある日がモデルナある日はファイザーという形で日付で分けているパターンがあります。ですから会場や日時を選べば、希望のワクチンを打てる予定となっているということなんです。

ただ3回目接種用のファイザーワクチンが足りなくなるかも、という自治体が出てきています。東京都三鷹市の担当者によると、三鷹市の場合、今年7月までに1回目・2回目を接種した65歳以上の方が打ったワクチンは、ファイザー社製が9割、モデルナ社製が1割ということなんですね.一方で、今年度中に供給される予定の3回目のワクチンはファイザー社製が5割、モデルナ社製が5割となっています。最低でも4割の方が交互接種が必要になってくる。三鷹市の担当者は「3回目も同じものをと考える人も多いはず。そうなるとやはりファイザーが不足して、接種時期も遅くなる」と話しています。

では三鷹市はファイザー製のワクチンの不足をどう補っていこうと考えているのか。その対策として、12月17日からモデルナ社製のワクチンの先行予約が始まりました。早く打ちたい方はモデルナで打ってもらって、ファイザーに集中するのを何とか和らげていこうという形です。65歳以上の高齢者限定で、接種券が不要、そして予約ができるということで、三鷹市の担当者は「すでに700件程の予約が入っている。うまくファイザー不足に対応していきたい」と話しています。

ホランキャスター:
交互接種をした方がワクチンの効果が高まるのではないか、というような研究結果も発表されているんですけれども、積極的に交互接種を行った方がよいのか。それとも3回とも同じものを受けた方がよいのか。どのように選んでいけばよいのでしょうか。

松本医師:
難しいですけれども、必すしもどちらかを薦めるだけの強い根拠があるわけではありません。同じものでもいいですし、実は交互接種でもいいんですね。ただ本人の好みもあるでしょうし、ファイザーが足りないと言われれば何かファイザーを打ちたくなるような人も多くなるかもしれませんけど。おそらく効果や副反応についても、どちらかを選んだから極端にすごく強く出るということでもありませんし、効果も交互接種の方が少し高めに出やすいという傾向があるみたいですけれど、極端な差ではありませんので、むしろやはり大事なのは早めに打てるものをいいタイミングで打っていただくということだと思います。

井上キャスター:
世界的にもリスクの高い方は接種間隔をなるべく短くしましょうという流れになっている。韓国などは3か月でいこうじゃないかって、これなんか言い値のようになってきてるような気がするんですが、松本先生の感覚で、何か月ぐらいまでだったら間隔が短くてもいいと思いますか?

松本医師:
各国が少し短くしてる理由の一つは、アストラゼネカのワクチンを使っていることです。これはだいたい3か月ぐらいで結構抗体価が下がってくるんですね。なので早めに打ちましょうということも十分考えられます。あとはやはりどうしてもだいたい半年で明らかに下がってます。ただそれよりもっと短くすれば効果は上がるかもしれませんけど、あんまり短期間でどんどん打っていくのも難しいので、やっぱり半年ぐらいが日本だと目安かなと思いますけれども。

■接種証明アプリ 運用スタートも・・・

南波キャスター:
12月20日から政府のワクチン接種証明アプリの運用が始まりました。「新型コロナワクチン接種証明アプリ デジタル庁」と書かれていて、赤いマークが大きな目印になっています。
Nスタのスタッフも登録してみました。接種回数や最終接種日が書かれていて、これを見せれば紙の接種証明書がなくても、しっかりと接種証明ができるということになっています。ただ、登録にはマイナンバーカード必要なんですが、マイナンバーカードは現状、国内での普及率は約4割ですから、約6割の方がまだアプリの登録ができないという状況です。

井上キャスター:
自治体のアプリもあって国のアプリもあって、という少しわかりづらいところもありますけどね。松本さん、こういうものを進めていくということになるんですか?

松本医師:
こういうことをやることによって絶対大丈夫、という保証をするわけじゃないですが、安心材料にはなると思います。(20日18:45)

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