投開票が行われた自民党本部から中継です。関西の議員のきょうの動きはどうだったでしょうか?
(取材・報告=高橋克哉 記者)
石破さんの当選が決まって2時間近くが経ちました。様々な反応が入ってきています。もちろん議員一人一人の判断ですから、一括りに関西の議員はこうだということは申し上げられないんですけれども、一つ傾向があるとすれば、近くあると言われている衆議院選挙、それから来年の夏には必ず行われる参議院選挙、こうしたものを見据えて、あえて小泉さんを支持しなかった議員が、他の地域よりも多かったんじゃないかなという印象を受けています。
と申しますのも、小泉さんが今回の総裁選挙で掲げた政策ですが、いくつか日本維新の会と似ている政策があるんです。例えばタクシー不足の解消を目指す、いわゆる「ライドシェア」の緩和、全面解禁。こうしたものは大阪府の吉村知事が訴えているものでもあります。
それから総裁選挙の議論を通じていろいろと話題となった「解雇規制の緩和」。これも維新が長年、選挙の公約に掲げている政策なんです。
なぜこうも小泉さんと維新の政策が似通っているのかということについては、ブレーンが同一人物ではないかとかさまざま言われているんですけれども、少なくとも維新と似たような政策を掲げる人が総理総裁になってしまっては、来るべき選挙戦で維新との差別化が図れないという懸念が多くあったと思います。こうしたことも今回の総裁選挙の関西の議員の投票行動に一定程度、影響を与えているのではないかなと感じています。
(中谷しのぶキャスター)
そんな中で、石破さんが新総裁に選ばれました。関西にどんなメリットがありそうですか?
(高橋克哉 記者)
石破さんが地方で人気が高いというのは、今回の開票結果を見れば一目瞭然なんですが、その源といいますのは、地方にくまなく足しげく通って選挙の応援演説や講演会などに出席した、その積み重ねが「石破さんなら地方のことは分かってくれているだろう」というイメージにつながっていると思います。
当然、石破さん自身も選挙区が鳥取ですから、地域の活性化それから東京一極の是正といったものには高い関心を寄せていると思いますが、であるがゆえに、そうした政策が出なかった時のハレーションというのも大きいのかなと思います。
一つ取材を通じて不安を感じたのは、先週、大阪市内で石破さんを支援する方々の個人会合があって取材に行ったんですが、その時に参加した若い学生さんから「自分のふるさとは過疎化に悩んでいる、石破さんならどうしてくれるんですか」という質問が出ました。
しかし、石破さんのその時の回答は「地域のことは地域の人が知恵を絞るしかないんだ」と真正面から回答を避けていました。こうしたことがいつまでも続くと、期待が高いがゆえにそれが落胆になって、やがて批判に転じるまでそれほど長い時間はかからないと思います。そうした危険性がはらんでいる、石破さんの総裁だと思っています。
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