兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラなどの疑惑を告発した元西播磨県民局長の男性職員(60)が7月7日に亡くなっていたことがわかりました。関係者によりますと、自殺とみられるということです。
8日夕方、斎藤知事は報道陣を前にこう話しました。
(兵庫県 斎藤元彦知事)「大変心からショックを受けています。心からお悔やみ申し上げたいと思っています。様々なご批判、ご指摘は私自身も真摯に受け止めていかないといけないと考えています」
男性職員は今年3月、知事のパワハラや贈答品の「おねだり体質」など7つの疑惑について告発する文書を作成。一部の報道機関や議員などに送っていました。
【文書より】
「知事のパワハラは職員の限界を超え、あちこちから悲鳴が聞こえてくる」
これに対して、知事は当初、次のように述べていました。
(兵庫県 斎藤元彦知事 3月27日)「事実無根の内容が多々含まれている。ありもしないことを縷々並べたような内容。うそ八百を含めて文書を作って流すという行為は公務員として失格です」
「事実無根」「うそ八百」などと否定。今年5月には、県政への信用を著しく損なわせたなどとして男性職員を停職3か月の懲戒処分としました。
しかしその後、事態は急展開します。県の内部調査で文書の内容が一部事実であったことが判明。さらに県議会の議員が独自に職員に対して行ったアンケートでは、イベント時に知事の個室を用意しないと罵倒されるため、施設の授乳室を利用し、県民が困っていた、などと書かれていました。これについて知事は…
(兵庫県 斎藤元彦知事 5月22日)「その部屋が授乳室であることは私は認識を正直していなかった。結果的に県民にご迷惑・ご不便をおかけしたことはおわび申し上げます」
こうした事態に県は、第三者機関による調査を決めたほか、兵庫県議会も6月13日、客観性や公平性が担保された調査を行うべきとして、強い調査権限を持つ百条委員会の設置を決定。7月19日に開かれる3回目の百条委員会には、告発文を作成した元県民局長も証人として出頭する予定でした。
関係者によりますと、亡くなった元県民局長は遺書を残していて、知事や兵庫県政への怒りが書かれていたとみられています。
(百条委・委員長 奥谷謙一県議)「本当に痛恨の極みであります。議会事務局の方からは元県民局長が証人尋問に出頭すると。(元県民局長は)僕の印象では非常に優しい方でしたし、職員の方からの人望も大変厚い方だった」
議会事務局によりますと、7月7日の午前中には元県民局長から、百条委員会で使用する文書が提出されていたということです。
(兵庫県 斎藤元彦知事 7月8日)「その当時の会見で私の発言は行き過ぎた点があったということで、大変反省している。(百条委に)証人として出廷されるということで心理的なご負担はあったと推察します」
一方で自身の進退についてはこう述べました。
(兵庫県 斎藤元彦知事)「県庁という職場そのものを立て直していくことが、私の大きな責任だと考えています」
文書問題に揺れる兵庫県。疑惑の真相は解明されるのでしょうか。
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