前代未聞の事態です。12日、兵庫県の斎藤元彦知事(46)はすべての県議会議員から辞職要求を突き付けられました。知事が辞職しない場合、19日の不信任案が提出され、全会一致で可決される見通しです。
■県議86人全員が辞職要求 それでも知事は…
斎藤知事
「県議会にもご理解いただきながら、県政を前に進めていくということが、私にとって大事だと思っている」
「来年7月までの任期を全うしたい」と改めて明言した兵庫県の斎藤知事。しかし、この6時間前には…。
自民党県議団 北野実幹事長
「県政を前に進めるため、速やかに兵庫県知事の職を辞することを求める」
県議会最大会派の自民など4会派と、無所属の議員合わせて65人が辞職要求を突き付けました。
辞職要望書で厳しく指摘されたのが、斎藤知事の「道義的責任というものが何か分からないので」という百条委員会での発言です。「看過できない」などと非難しました。
3年前の選挙で知事を推薦した維新の会はすでに辞職を要求していて、これで86人いる県議全員が知事に辞職を迫る事態となりました。
四面楚歌(そか)になっても、斎藤知事は次のように述べました。
斎藤知事
「私自身もやはり全然至らない点、良くない点もあると思うが、それでもなお、やはり県政を担わせていただきたいという私の強い思いで、これからも政策を県民の皆さんのためにしっかりやっていくことが大事だと思う」
専門家は次のように指摘します。
法政大学大学院 白鳥浩教授
「これはかなり異例の事態。(通常)与党の人たちが首長をサポートするので、不信任案が出そうになった時でも、ある一定数の人たちは反対をするということが起こるはず。ところが、今回はそういった動きも起こらないほど、もうこの人はダメだ、そういうことになっているんだと思う」
■100億円経済対策 プレミアム商品券配布?
さらに、同じ場で知事が掲げたのが“県民のための100億円経済政策”です。
斎藤知事
「県民生活を支えるために、プレミアム付きの商品券的なものをさせていただくことを予定したり、(議会で)約100億円の補正予算を提出することになるので、ここをしっかり成立させることが大事」
白鳥教授
「予算を通したいというのは分かるが、客観的に考えて今の状況で県議会と良好な関係というのが築けない以上、知事が言っていることは非常に難しい。だから、斎藤知事がいて県政が前に進むことはあり得ません」
これまで表情を崩すことなく続投の意思を示していた斎藤知事。しかし、11日には3年前の知事選で推薦を受けた自民党や維新の会の議員に申し訳ないと、悔し涙を見せました。
斎藤知事
「そこはまぁあの…大変あの…申し訳ないなと…」
12日、改めて涙の訳を問われると、「県民を思っての涙だった」と説明しました。
斎藤知事
「やはり県民の皆さんに対して、今の状況になっている。3年前にご負託をいただいたということで、大きな期待をいただいているが、今の状況はそういった期待をいただいた方には不安や心配をかけていると思うので。自分のふがいなさを強く感じた」
■可決なら“日本史上初”県議会解散も
知事が自ら辞職しない場合、議会初日の19日に不信任決議案が提出・採決され、全会一致で可決される見通しです。
辞職か議会解散か、選択を迫られることになりますが…。
白鳥教授
「今までの斎藤知事の行動を見ていると、まったく自分が悪いと思っていないので、おそらく日本の地方自治制度上初めて、県議会が解散するということになるのではないかと思う」
(「グッド!モーニング」2024年9月13日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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