住民を交えたリアルな訓練を重ねたくても今は、大人数で頻繁に行うことはできません。
そこで、住民の目線で避難所の運営をシミュレーションする訓練がオンライン上で行われました。
「こんにちはー」「つながりました、ありがとうございます。こんにちは」
これまで多くの被災地で活動してきた浜松市の鈴木まり子さんです。先週の土曜日(5月16日)、自宅で防災訓練に参加しました。全国の参加者がオンラインでつながり、ネット上で避難所の運営をシミュレーションする試みです。
避難所運営ゲーム「HUG」は県が開発しました。本来はボードゲームのようなやり方です。
避難所に来た人の情報や発生する出来事のカードが次々に示され、それに対処していきます。
オンラインでのHUGを企画した意図を主催者に聞きました。
「リアルでないと(実際に会わなければ)カードゲームなのでできないと思ったが、工夫したらオンラインでできるのではと思ったことが一つ。災害が来たらどうなるのだろうとみんなで考えたいと思った」(NPO日本ファシリテーション協会・林加代子さん)
約80人が数人ずつのグループに分かれHUGのスタートです。舞台はお年寄りや妊婦などを含む約100人の避難所。感染症がまん延している最中、大地震が発生して数時間後という想定です。受付の設営にも気を使います。
「ここですか?OKです」「他の皆さんも受付で必要なこと、ぜひ」「健康状態」「既往症とか」
避難所は3密になりやすい空間です。多くの人が体育館やホールなどに集まり、一人ひとりのスペースも限られます。
「寒いと思うほど熱が出てきました。息苦しいです」
体調を崩す人が出始めました。
「たぶん隔離しないとこわいですよね」「私たちは隔離部屋はどこにします?」
安全を確保できる部屋を選ぶことに迷います。
「図工室は毛布の受け入れをしてるし」「応接室とか」「事務室か」「じゃあ事務室にしときます?なんか微妙な隔離部屋だな」
参加者は感染症対策に配慮しながら約2時間、難問に挑みました。
「(課題を)実際にどう解決していくか自分が考え続けることと、周りに考えましょうと働きかけることが大切」(NPO日本ファシリテーション協会・鈴木まり子さん)
どんな事態が起きている時でも地震は待ってくれません。全国をつないだオンラインでのシミュレーションは、改めて危機意識を共有するきっかけになったようです。
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