物流業界における「2024年問題」。政府は緊急対策を決定しました。その一つが「置き配」でポイントを還元することです。街で話を聞くと歓迎の人がいる一方で懸念の声も…“オートロックの壁”に対応する新システムを取材しました。
■「置き配」にポイント 物流2024年問題
人手不足が懸念される物流業界の「2024年問題」。政府は再配達を減らすため「置き配」でポイントを付与するなどの対策を決めました。いま、配送の現場では…
デリバリーサービス 志村佳祐さん
「どこも不在です。午前中だから届けられるとは限らないです」
荷物を抱えながら不在票を書き、郵便受けに投函。再配達が負担となっています。
政府が打ち出した対策は「置き配」の利用を増やすために、ポイントを付与するというもの。例えば、ネット通販で購入する際に、受け取り方法を「置き配」や「コンビニでの受け取り」を選んだ利用者にポイントを付与する仕組みです。
街の人は…
20代大学生
「食品以外は『置き配』に抵抗がないので、ポイントもらえたら全然いいかなと思います」
40代
「ポイントなんていらないです。どうにか1回で受け取れるシステムができればいいなと思います」
■オートロックでも「置き配」新システム
また「置き配」を利用できない人も…
30代
ーー置き配は使ったことありますか？
「『置き配』はないです。マンションがオートロックなので、使いづらいということがあって」
”オートロックドアの壁”。配達員が入れないため、再配達の原因となっていました。そんな状況を解決できるサービスが、いま注目されています。
喜入友浩キャスター
「普段は開かないエントランスのオートロックのドアも、荷物に貼ってある伝票のバーコードをかざすだけで、通り抜けることができるんです」
荷物に貼ってある伝票のバーコードが通行キーになり、配達員はマンションの中に入ることができます。通行キーは、配達が完了すると無効化されます。
美和ロック 木下琢生取締役
「いま大好評で、いろいろとお話を頂いています。”置き配ポイント”制度が導入されることによって、我々の置き配システムが、どんどん普及していくのかなというところで追い風になると期待しています」
■「置き配」にポイント付与へ
喜入キャスター：
国土交通省で「置き配を利用したことがあるか」というデータがあります。「利用したことがある」という方は全体の41.2%。一方で利用したことがないという方は、半数を超えて58%となっています。
利用しない方に理由を聞きました。こんな理由が挙げられています。
▼盗難されないか心配 29.8%
▼方法を知らなかった 13.6%
▼不在だと知られたくない 12.6%
▼衛生面で不安 11.3%
▼個人情報の漏洩が心配 10.4%
▼オートロックなど利用できない住宅に居住 8.3%
山本恵里伽キャスター：
「衛生面で不安」というのは、すごく共感します。食品とかを宅配してもらう時に、床に置かれると抵抗があるなという場合、やめようかなと思います。
喜入キャスター：
そのような方もいらっしゃるかもしれませんが、一方で今問題となっているのが、再配達によるドライバーへの負担です。再配達の半減に向けて、政府が10月6日に取りまとめたのが「物流革新緊急パッケージ」です。具体的には、“置き配”や“コンビニの受け取り”などの荷物の柔軟な受け取り方だったり、ゆとりを持った配送日時を選択した消費者に対して、ポイントで還元する案が盛り込まれました。
山本キャスター：
ポイント制なんですね。
喜入キャスター：
再配達が今どのくらいあるのかというと、都市部では、2023年4月現在で12.6%です。政府は2024年度までに半減を目指していくということになります。街で置き配について意見を聞くと…
「このシステムに税金は使って欲しくない」
「宅配ボックスを普及させて欲しい」
という声がありました。
山本キャスター：
利用者からすると、再配達を有料化にすればいいのになと思います。そんな簡単な話じゃないのかもしれないですけど、どちらにせよ再配達を減らす必要があると思うので、ポイント制によって、どれくらい減るのか。ちゃんとドライバーさんの環境改善に繋がるのか、そのあたりをちゃんと注視しないといけないなと感じます。
#物流2024年問題
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