【ワシントン=坂本一之】11月の米大統領選で再選を目指す民主党のバイデン大統領(81)に対し、同党の上院議員や支持者として有名な俳優のジョージ・クルーニーさんが10日、選挙戦からの撤退を求めた。撤退論が強まる中、党重鎮でバイデン氏に近いペロシ元下院議長が撤退への反対を示さず、波紋が広がっている。
民主党のウェルチ上院議員は米紙ワシントン・ポストへの寄稿で、バイデン氏の撤退を要求。クルーニーさんは米紙ニューヨーク・タイムズへの寄稿でバイデン氏について「年齢の問題だ。大統領選で勝てない」とし出馬辞退を求めた。
民主党内では、大統領選に向けた6月の討論会で精彩を欠いたバイデン氏の高齢不安が再燃。バイデン氏が共和党のトランプ前大統領(78)に敗れることや、同時に実施される上下両院の選挙で不利になることを嫌ってバイデン氏に出馬辞退を求める声が続いている。
バイデン氏の盟友でもあるペロシ氏は10日、MSNBCテレビに出演し、今後の対応について「大統領次第だ。いかなる決断も従う」と述べた。自身の立場を明示しなかったことで、バイデン氏に再考を促す発言との見方も出ている。
ペロシ氏は「時間がなくなってきている」とも語り、党内の議論を早期に終結させる必要があるとの考えも示した。11日に閉幕する北大西洋条約機構(NATO)首脳会議後に撤退圧力がさらに強まる可能性もある。
ワシントン・ポストは10日、民主党幹部がバイデン陣営に対し、トランプ氏に勝利することが可能だという根拠を示すよう求めたと報じた。
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