「文化の違いなど苦労も」インドネシア人介護福祉士 外国人の訪問介護“対象拡大”へ 特定技能なども可能に 求められる相互理解|TBS NEWS DIG

厚生労働省は、特定技能や技能実習などの外国人にはこれまで認められていない「訪問介護」について、一定の条件のもとで解禁する方針です。人手不足が続く介護の現場から見えてきた課題とは?

インドネシア人の介護福祉士・エルマさん(27)。難病の女性の自宅で、食事の介助や体の向きを変えるなどの「訪問介護」を行っています。

日本の文化が大好きなエルマさん。日本での介護の仕事の需要を知り、「役に立ちたい」と18歳で来日。専門学校で学び、3年ほどで資格を取得しました。

インドネシア人の介護福祉士 エルマさん
「最初は携帯で辞書を見たり、すぐに覚えられないのでメモ」

訪問介護を始めた当初はコミュニケーションや文化の違いなどでも苦労が多かったといいます。さらに…

インドネシア人の介護福祉士 エルマさん
「(訪問介護は)緊急のときに自分で対応しないといけない」

利用者と1対1で向き合う難しさなどから、外国人の訪問介護はエルマさんのように「介護福祉士」の資格を持っている人に限定されていて、資格のない外国人には認められていません。

しかし、深刻な人手不足が現場を悩ませていることから、厚労省の検討会はきょう、資格のない特定技能や技能実習などの外国人も訪問介護を担えるようにすべきとする報告書の案を了承しました。

ただ、事業者には日本の生活様式の研修や最初は別のスタッフと一緒に訪問するなど、一定の条件を求めています。

一方で、イスラム教徒のエルマさんは1日5回のお祈りを欠かしません。訪問介護中も利用者の許可を得て行っています。

エルマさんが働く事業所の宮里社長は、利用者にこうした事情を理解してもらうために手作りのチラシを配りました。

ぷっくるケア 宮里裕子 社長
「これを持っていきながら、一生懸命説明をしてお願いしますと」

宮里社長は、事業者側が間に入って配慮することが必要だと指摘します。

ぷっくるケア 宮里裕子 社長
「外国の方がOKという方を探したり、説明をしたり、なるべく受けてもらうような方向を事業者側も考えてフォローする」

今後、ますます高齢化が進むなかで、「相互理解」が求められています。

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