イラン大統領“墜落”で死亡 イスラエル情勢にも影響か【スーパーJチャンネル】(2024年5月20日)

 イランのライシ大統領が乗ったヘリコプターが墜落した事故で、イランメディアは「全員、死亡した」と報じました。大統領の死亡は緊張が続く中東情勢にも大きな影響を与えそうです。

■イラン大統領 ヘリ墜落で死亡

 ヘリコプターで移動するイランのライシ大統領たち。イランメディアによりますと、この1時間後に事故が起きたとされます。

 そして、事故から一夜。現場を捉えたとされる無人機からの映像では山林の一部が焼け焦げ、ヘリコプターの尾翼のようなものも見えます。
 
 イランメディアは、ライシ大統領が乗ったヘリコプターの搭乗者全員が死亡したと報じました。ロイター通信によりますと、イラン当局者の話として機体は完全に燃え尽きていたといいます。

 19日、イラン北西部でライシ大統領が乗ったヘリコプターが墜落しました。隣国・アゼルバイジャンからの救助隊が撮影した映像です。

アゼルバイジャンの救助隊
「非常に厳しい状態です。ご覧の通り、夜の暗闇でとても寒くて雨も降っています」

 ライシ大統領ら一行は、山岳地帯でのダムの開所式典に出席後、移動中に事故に遭ったとみられています。

アゼルバイジャンの救助隊
「ライシ大統領たちのヘリコプターにできるだけ早く近付きたいのですが、この状態では非常に難しいです」

 反欧米の強硬派として知られるライシ大統領。イランでは大統領は国家のナンバー2とされ、国政全般の最終決定権は最高指導者のハメネイ師にあります。ライシ大統領はそのハメネイ師の後継者候補と目されています。

■「権力闘争」 中東情勢に影響も

 イランの政治アナリストはこう指摘します。

中東・世界秩序センター アラシュ・アジジ氏
「(ハメネイ師の後継者を巡って)激しい権力闘争が予想される。この事故によってすでに始まっているかもしれない」

 中東の大国・イランで混乱が起これば中東情勢に影響する可能性があります
 
中東調査会研究主幹 青木健太氏
「4月にイラン、イスラエルの本土間で行われた直接的な攻撃の応酬を見ても分かる通り、やはりイスラエルの存在ということになります」

 突然、墜落したヘリコプター。この事故がイスラエルとの関係に影響するかもしれないのです。

■権力闘争?イスラエルにも影響か

 イランのライシ大統領のヘリコプター墜落事故。イランメディアは「全員死亡した」と報じました。

青木健太氏
「イラン国内の権力争いは激化する可能性があると思う」

 イランで混乱が起きた場合、懸念されるのが中東情勢への影響です。

 イランは長年、イスラム組織「ハマス」を支援していて、ライシ大統領は去年10月の「ハマス」によるイスラエル攻撃の後、ハマスは「勇敢だ」と称賛しています。

青木健太氏
「イランの体制が脆弱(ぜいじゃく)になり、円滑に権力の継承ができない状況になると、逆にイスラエルやアメリカにとっては有利な状況ということになる。そうした不安定な時期をついて、様々な工作などを仕掛けるということも完全には排除されないと思う。イラン国内だけではなく、周辺地域に対しても影響を及ぼし得るような出来事だったのではないか」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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