政府・日銀は22日、為替介入に踏み切りました。急激な円安に歯止めをかけるためとみられ、約24年ぶりの円買い・ドル売り介入となりました。「市場の意表を突く電光石火のサプライズ」と評価する声が上がる一方、「時間稼ぎ」との声も…。
■為替介入の背景 「投資家の動きを鈍らせる」と指摘も
有働由美子キャスター
「22日の円相場ですが、一時は約24年ぶりに145円台まで円安が進み、146円となる目前でした。22日夕方、一気に5円近く円高に動き、22日午後11時22分現在で、141円台後半で取引されています」
「この円高は、22日夕方に政府が為替介入を行ったからです。つまり、今回は国が持っているドルを売って、円を買うことで、安くなっている円の価値を強制的に高めたわけです。“円買い・ドル売り”の介入は、約24年ぶりのことになります。小栗さん、今回は『介入は難しいんじゃないか。しないんじゃないか』という声もありましたが、どうして踏み切ったのでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「22日夜、鈴木財務相と神田財務官が行った会見では、記者から『145円台に突入したから介入したのでは?』と聞かれたところ、神田財務官は『はっきりと否定します』と答えました。さらに、いつまで、どれくらいの規模で為替介入を行うかについて、鈴木財務相は『手の内は明かせない』と、具体的なことは言いませんでした」
「ただ、為替介入した背景について、経済評論家・加谷珪一氏は『145円台に突入したことだ』とみています。加谷氏は『次は150円』という雰囲気が出てきてしまう。円安の流れを止めるためというよりも、“為替介入ができるんだぞ”という姿勢を見せることで、投資家の動きを鈍らせることを狙っているのではないかと指摘しました」
有働
「廣瀬さんは、今回の為替介入をどう見ますか?」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「一旦は円高に振れましたが、円安の流れ自体を変えるまでには至ってないかなと思いました。この先もまた介入するのか、いつまで続けるのか、このあたりが気になりますね」
■“電光石火”サプライズ介入 「時間稼ぎ」の声も
小栗
「今回の為替介入について、3人のエコノミストに聞きました。まず、為替市場に詳しい武部力也氏は、『“為替介入はしない”と市場は高をくくっていたので、意表を突いた電光石火のサプライズ介入だった』と一定の効果はあったとしています。また、武部氏は『一旦、“140~145円”で様子を見て、その後、“135~140円ぐらい”をゴールに介入を続けるのではないか』と分析しています」
「一方で、野村総研・エコノミストの木内登英氏は、『一度、介入したからには、当面、断続的に行われるだろうが、効果は限られて、時間稼ぎだ』と分析しています。経済評論家・加谷珪一氏も、『国のドルには限りがあるので、中長期的に続けられるものではない』と指摘しました」
有働
「専門家たちも『介入は時間稼ぎ』ということで、一致しています。では、物価高か、賃金のその場しのぎではない対策はどうするのか。政府には、いっそう具体的な成果が求められます」
(2022年9月22日放送「news zero」より)
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