岸田総理は少子化対策の主要な財源の一つとして創設する「支援金制度」の国民負担について、医療保険加入者の負担額は月500円弱になるとの見通しを示しました。これに対して、野党は「事実上の増税だ」と指摘、ネットでも批判の声が相次いでいます。
■SNS上では「#月500円弱」がトレンド入り
井上貴博キャスター:
裏金作りができなくなるような法律改正に関しては、「検討します」と言って先延ばし。一方で、国民負担を強いる件に関してはすぐ決まる。そんな印象を受けます。
まず出てきたのが、少子化対策です。財源をどうするのか。
政府は、2028年度までに3兆6000億円の財源確保を目指しています。このうちの1兆円程度は医療保険料に上乗せして徴収する、「支援金制度」で賄うということが出てきたわけです。
岸田総理は「2028年度の拠出額は(公的医療保険)加入者1人あたり、月平均500円弱となると見込まれる」と話しました。2026年4月から、段階的に徴収を開始するということです。
野党側からは、批判の声が相次ぎました。
立憲民主早稲田夕季衆院議員
「世帯で言えば、共働きだったら(年間)1万2000円程度になる。増税隠しですよ。事実上の子育て増税です」
立憲民主奥野総一郎衆院議員
「国民に負担を求める、子育て増税じゃないですか」
一方、岸田総理としては「歳出改革と賃上げにより負担軽減の効果がある。実質的な負担は全体として生じない」としました。「増税ではありません」と、論戦が繰り広げられました。
今回の件について、TBSスペシャルコメンテーターの星浩さんに話を伺いました。
星浩さん「隠れ増税と指摘されても仕方ない。『財源確保のため増税が必要』と正々堂々と説明すれば、こんな事態にならなかった。そもそも医療保険に上乗せするのは筋が違うのでは」
SNS上では「#月500円弱」が「X」のトレンド入りし、こういった声が上がっています。
「増税なら反発されるけど、医療保険なら大丈夫だろうって見え見え」
「物価も高騰してるっていうのに月500円!?またお金取るの!?」
「子育て世代の税金を軽減させるやり方なら賛成」
■「税負担でやるほうが公平ではないか」と指摘も
ホラン千秋キャスター:
「歳出改革と賃上げにより」とのことですが、賃上げは企業によってできる、できないがある。その中で、「賃上げがきっと進むだろうから」という期待や希望というのは、政府が示す戦略ではないわけですよね。
萩谷麻衣子弁護士:
これは実質的な増税ですよ。ただ、増税だと言うと国民の反発が強くなるので、医療保険という現役世代にわかりにくい状態で、給与天引きにして賄おうという魂胆が見えていると感じます。
私自身は、医療保険に上乗せするということに、そこまで批判的ではありません。子育てについては社会全体で負担しなきゃいけない。どこかで負担しなきゃいけないのであれば、ほとんどの国民が加入している医療保険に乗せるというのは、考えうることだと思います。
ただ、医療保険はもともとは自分で払った方が、けがや病気をしたときに医療サービスを受けるためのものです。なぜ医療保険なのか、ということは丁寧に説明しなければ、国民は納得できないだろうと思います。
井上キャスター:
政府は、少子化対策だと言えば増税できると思っているのではないかと。そういった魂胆ではないかということも感じてしまうくらいですよね。
萩谷麻衣子弁護士:
子育てを支援をするためには、不公平感が残らないように議論をしなくてはいけないと思います。今のままだと不公平だと思う方がいらっしゃるんじゃないかと。
井上キャスター:
日本総研の西沢和彦理事は、「公平な制度とは言えない。消費税をはじめとした税負担でやるほうが公平ではないか」と言っていました。
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