およそ半世紀にわたる逃亡生活とは。
桐島聡を名乗る男が通っていた飲食店の店員が、取材に応じた。
記者「いつから?」
桐島容疑者を名乗る男が通っていた飲食店「だいたい20年ぐらい前からかなって認識してます」
記者「1人で?」
桐島容疑者を名乗る男が通っていた飲食店「そうですね」
記者「音楽は何が?」
桐島容疑者を名乗る男が通っていた飲食店「ロックですかね」
記者「盛り上げるときは?」
桐島容疑者を名乗る男が通っていた飲食店「声援を送る感じですね。イェイイェイイェイイェイとか、声援を送ってバンドを盛り上げてくれる」
ロックが好きで、バンドに声援を送っていたという男。
そして、逃亡生活の最後のときだったのか、男が病院に搬送される直前の様子を近所の住民が語った。
男を介抱した住民「もうガリガリでね、本当にヨボヨボで、もうしゃべるのがやっとやっとぐらいの感じ」
重要指名手配犯・桐島聡容疑者だと名乗り出た末期がんの胃がんで入院中の男が、29日午前7時33分、入院先の病院で死亡した。
およそ49年間、逃亡生活を続けていた桐島容疑者。
桐島容疑者を名乗る男は、「内田洋」という名前を使い、神奈川・藤沢市内の工務店に1980年代から勤務。
住み込みで働き、給与は現金で受け取っていたという。
生活していたとみられるのは、工務店のすぐ脇の建物。
さびついた柵の奥に見える窓ガラスには、バツ印に養生テープが貼られ、室内の窓際には再利用するためなのか、複数のマスクが干されていた。
男は1年ほど前から胃がんを患っていて、1月、自宅近くの自動販売機脇の路上で倒れ、近所の住民に介抱されていた。
男を介抱した住民「もうガリガリ、弱々しい感じ。(男の)部屋入ったよ。すごいもう、言っちゃ悪いけど乱雑な感じで、どこに寝泊まりしているのか。もうごみみたいな、お弁当のね残飯」、「(ペットボトルとか?)そうそう」
男は、手配写真と比べるとかなり痩せていたという。
男を介抱した住民「(手配写真については?)この顔見ると、ああって思うのね。全然もう3分の2くらいに痩せてるからさ」
男が通っていた飲食店の店員も、「桐島容疑者だとは思わなかった」と話していた。
桐島容疑者を名乗る男が通っていた飲食店「休みの前の日ぐらいのときに来ている感じでした」
記者「注文は?」
桐島容疑者を名乗る男が通っていた飲食店「基本はビール。ビール2、3杯がだいたい1時間半とか」
記者「思い返して、似てるか?」
桐島容疑者を名乗る男が通っていた飲食店「全くないですね。僕も免許の書き換えとかで警察署とか行ったとき、指名手配の写真とか見たりしますけど、それがお店にきてたうっちー、通称うっちーだったんですけど、彼とイコールになる感じは全くいまだにないです」
男が名乗り出てから死亡するまでは、わずか5日間。
警察は、一連の事件の真相解明につながる情報を得ることができたのか。
フジテレビの上法玄解説委員は、「この50年間という長い逃亡生活について、話を聞く十分な時間はなかったと思う。(捜査関係者は)死期が迫ってきて自分から名乗られてしまうというのは、やはり『警察の負けだ』と言っていた」と述べた。
警視庁は、桐島容疑者のきょうだい2人からDNAの提出を受けるなどして、男の身元確認を急いでいる。
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