4日、能登半島で起きた最大震度7の地震から72時間のリミットが迫っています。3日、石川県珠洲市では倒壊した建物から48時間ぶりに79歳の男性が救出されました。
■地震で一変…家族で過ごす正月の景色
3日午後5時ごろ、倒壊した木造2階建ての住宅に集まる救助隊員たち。この家に暮らしていたのは、79歳の男性です。
下敷きになっていたのは、江表大司郎さん。48時間以上が経過するなか、無事に救出されました。
娘・山崎久恵さん
「お父さん!」
泥にまみれた父親の姿に、救出劇を見守る家族から涙がこぼれます。衰弱しきっていましたが、生存した父親を見て安堵(あんど)の声が漏れました。
息子・江表洋司さん
「良かった」
娘は父親の傍らに寄り添い、声を掛けました。
山崎久恵さん
「お父さん、よく頑張ったね」
潰れた家の下敷きになっていた父親のうめき声を聞いた息子・洋司さんが、救助を要請していました。
江表洋司さん
「声聞いて、午後3時ぐらいから救急に連絡を取るように駆けずり回って」
元日午後4時10分ごろ発生し、最大震度7を観測した能登半島地震。しかし、家族で過ごす正月の景色は一変しました。
■珠洲市「9割全壊もしくはほぼ全壊」72時間迫る
地震の強い揺れは至る所で土砂崩れを引き起こし、住宅などあらゆるものを破壊。各地で道路は裂け、至る所が崩落しました。
全国各地から救助隊が被災地に応援に駆け付けるなか、被災地には強く冷たい雨が降り出しました。
4日午前6時現在、被害が多い輪島市には大雨警報も発令されました。
地震が起きた時、複数の砂ぼこりが上がっていた能登半島北部・奥能登エリアに位置する珠洲市では、倒壊した建物が市内のあちらこちらで見られます。
石川県の災害対策本部会議で、珠洲市の泉谷満寿裕市長は被害状況について、「壊滅的な被害となっている。たっている家がほとんどない。9割がた全壊もしくはほぼ全壊といった状況。4000世帯~5000世帯が自分の家では住めない深刻な事態になっている」と述べました。
生存率が大幅に下がるとされる発生から72時間が迫るなか、下敷きになっている人の捜索が警察犬などを使って懸命に続けられています。
■危険を顧みず…夜でも続けられた救出作業
倒壊した住宅から救出される人がいる一方、いまだ救助の手が届かない場所もあります。
谷内紀明さん(79)
「おれは2階でテレビを見ていて、妻は下にいた。下の柱が全部落ちてしまって、重機がないと出せない。消防にも言っているけど、順番が回ってこない」
地震当時、自宅の1階にいた妻の悦子さんは崩れた家屋の下敷きになっているといいます。取材中、家族から電話が掛かってきました。
谷内さん
「おばあちゃんは、死んでもうた。(救助を)待っている状態。まだ出せない。妻と2人だけだったから、つらい。50何年間、2人だけでいたから」
輪島市の中心部で根元から倒れてしまった7階建てのビルは、輪島塗の会社の持ち物で近くの住宅が押しつぶされてしまいました。建物には女性1人が取り残されていますが、救出活動を妨げているのは頻繁に起きる余震です。
3日も、輪島市で震度5強を観測する地震が発生し、救出活動が中断されました。
(「グッド!モーニング」2024年1月4日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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