宝塚歌劇団に所属する25歳の劇団員が死亡したことについて、外部の弁護士による調査チームの報告書が公表されました。宝塚側は会見で、「いじめやハラスメントは認められなかった」と説明しました。
■指導“責任者”も 残業時間、認識にズレ
宝塚歌劇団 木場健之理事長:「ご遺族の皆様には、大切なご家族を守れなかったことを心より深くおわび申し上げます」
14日に会見に臨んだのは、宝塚歌劇団の理事長ら幹部です。今年9月、自ら命を絶ったとみられている25歳の劇団員。遺族側は「長時間労働」と上級生からの「パワハラ」があったと訴えています。
女性は自らも稽古に打ち込むなか、「長の期」と呼ばれる下級生を指導する立場の責任者でした。劇団側は、次のように話します。
木場理事長:「『長の期』の仕事が、これほど多岐にわたり行われている認識が我々としては不足していた」
遺族側は、女性は睡眠時間が3時間ほどで、ひと月半連続勤務を行っていたと訴えていましたが、劇団側も長時間の労働があったと認めました。
ただ、亡くなる直前の残業時間については、遺族側は「277時間を超えていた」と主張しているのに対し、報告書では「118時間以上」と認識が異なっています。
■「宙組」ヒアリング拒否 弁護士「二時代前」
遺族側は、上級生による「嘘つき野郎」といった暴言や、額にヘアアイロンを当てられやけどを負ったとして、ハラスメントがあったと訴えていましたが…。
木場理事長:「故人に対するいじめやハラスメントは確認できなかった。『うそつき野郎』『やる気がない』といった発言の有無は、すべて伝聞情報。実際にそのような発言があったことは確認されていない」
会見では、亡くなった女性が所属していた宙組の4人が調査チームのヒアリングを拒否していたことも明らかになりました。
同時刻に行われていた遺族側弁護士の会見では、次のようなコメントがありました。
遺族の代理人 川人博弁護士:「上級生のパワハラ行為を認定しないのは、一時代前の、二時代前と言ってもいいかもしれません。事実関係を再度、検証し直すべき」
遺族側の会見の内容を、記者が劇団側に問いかけると…。
宝塚歌劇団 村上浩爾専務理事:「ヘアアイロンの件については、そうおっしゃっているのであれば、その証拠となるものをお見せいただくようにお願いをしたい」
■「納得できない」 引き続き面談交渉へ
しかし、遺族側弁護士は、次のように話します。
川人弁護士:「家族や本人のLINEにも書いてある証拠を、すべて調査委員会に提出したにもかかわらず、これらの母親の証言や、LINEの証拠に言及せず、やけどはたいしたことがないかのような報告書の言及は、納得できない」
宝塚歌劇団の木場理事長は、今回の件を受けて来月1日で辞任する意向を表明しました。劇団は再発防止策として、公演数の軽減や稽古スケジュールの改善、外部への通報窓口を設置していくということです。
発表された報告書に関し遺族側は意見書を提出する考えで、劇団側に対しては面談交渉を行うとしています。
厚生労働省は、悩みを抱えている人には、1人で悩みなどを抱えずに「こころの健康相談統一ダイヤル」や「いのちの電話」などの相談窓口を利用するよう、呼び掛けています。
▼「こころの健康相談統一ダイヤル」0570-064-556
▼「#いのちSOS」0120-061-338
▼「よりそいホットライン」0120-279-338
▼「いのちの電話」0570-783-556
(「グッド!モーニング」2023年11月15日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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