2023年9月、宝塚歌劇団の宙組に所属する25歳の女性団員が急死した問題で、10日午後、遺族側の弁護士が会見を開き、女性団員がパワハラを受けていたことを明らかにした。
川人法律事務所・川人博弁護士「約1カ月半、わずか1日3時間程度の睡眠しか取れない状況が続き、加えて上級生のパワハラもあり、健康を損なって亡くなった」
9月末に宝塚歌劇団の25歳の女性団員が急死した問題で、遺族側の弁護士が会見を行い、自殺に至った経緯や事実関係や原因などを明らかにした。
女性団員は当時、本公演と新人公演の準備などのため、亡くなる前の1カ月間、実質的な休日がなく、労働時間は1日およそ16時間に達していたと説明した。
堺総合法律事務所・井上耕史弁護士「総労働時間が400時間を超え、時間外労働数が月200時間を優に超えていることは間違いない」
また、女性団員が、上級生からヘアアイロンを額に押し付けられやけどを負っていたことが、週刊誌で「パワハラ」として報じられた際の劇団側の対応について、次のように指摘した。
川人法律事務所・川人博弁護士「劇団はホームページで、この事件の報道は事実無根であるとの理事長の声明を一方的に発表したと。こういう劇団側の対応によって、とても精神的な負荷を受けた」
加えて、上級生からは、「下級生の失敗は全てあんたのせい」、「うそつき野郎」などの暴言やパワハラを受けていたことも挙げ、劇団側に安全配慮義務違反があったと訴えた。
さらに、パワハラの背景の1つとして、上下関係について記した宝塚歌劇団の生徒手帳を提示した。
川人法律事務所・川人博弁護士「パワハラと言うべき、さまざまな暴言・発言を繰り返していたと。この劇団における縦の関係の過剰なまでの重視という問題も、弁護士としては指摘せざるを得ない」
そして、読み上げられたのが、娘を亡くした悲しみと怒りの胸中がつづられた遺族のコメント。
遺族の訴え「25歳の若さで、生きる道を閉ざされ、奪われてしまった娘の苦しみ、そして、あの日どんな思いで劇団をあとにしたのかと考えると、胸が張り裂けそうです」
歌劇団は取材に対し、「パワハラなどの事実があったかどうか調査を待っている状況です。結果を受けて適切に対応します」とコメントしている。
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