6番目のAKB姉妹グループ「STU48」、デビューシングル発売延期の裏事情

瀬戸内海沿岸の7県を拠点に活動するSTU48が、メジャーデビューシングルの発売を11月1日から来年1月末に延期した。 秋元康プロデュースのAKB48の姉妹グループで、新潟が拠点のNGT48に続いて国内6番目。「1つの海と7つの県を股にかける広域アイドルグループ」として注目されていたが、何があったのか。 デビューに向けた活動はこれまで順調に進んできた。オリジナル曲「瀬戸内の声」のミュージックビデオが公開され、夏に開催されたアイドルイベントにも出演。そんななかでの延期の理由は、「船上劇場」が完成していないこと。瀬戸内海の主要港をめぐる船のなかで歌やダンスを公演するのが、グループ最大のウリだった。 STU48の公式ウェブサイトによると、〈造船会社を含む関係会社とは打合せを重ねてはおりますが、現状、まだ船上劇場を発表できる段階ではなく、メジャーデビューするタイミングとして適当ではないと判断しました〉という。 グループのキャプテンをつとめる岡田奈々も自身のツイッターで、〈楽しみにしてくださっていた皆様には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです〉と“船出”の遅れを謝罪した。 9月末からの瀬戸内7県の「地上」でのホールツアーは予定通り実施する。では、船上劇場が完成しないことが、なぜデビュー延期につながるのだろうか。「AKB48をはじめとする48グループは、『会いに行けるアイドル』というコンセプト。定期公演を行う拠点の劇場を核に活動して、ファンとの絆を深めて人気を集めてきました。48グループにとって、劇場はとても重要視される場だからではないでしょうか」
 こう指摘するのは、芸能評論家の三杉武氏だ。そして、こう続ける。「船上劇場がどんな規模でどんなステージとなるのか、わからないことがまだ多い。各地の劇場のように250~300人規模ならば、それなりの大きさの船となるはず。これまでにないスタイルでの船の建造でもあり、運営側も技術面や金銭面などで見通しがたたない部分があったのではないでしょうか」 デビューの延期は、各方面に影響を与えそうだ。 前出の岡田奈々は「AKB次世代エース」とファンから注目されるメンバー。さらに、船上劇場の劇場支配人はHKT48の指原莉乃が就任した。こうした人選や、拠点とするエリアの広さなどからも、力のはいったグループだと伺える。 今年デビューし、新潟を拠点に活動するNGT48は、地元メディアに多数出演。ゆるキャラと同様に、新潟の地元の顔として人気で成功を収めている。こうした実績がSTUの活動にもつながったのでは、と三杉さんはみている。 各地で相次ぐ新グループだが、同じ系列のグループが多数生まれることは、マイナス要素にならないのだろうか。「多くのグループができることで、ファン同士が競い合い、盛り上がる効果がありますので、そこは大丈夫だと思います」 瀬戸内海を拠点に、ゆくゆくは東京湾あたりに現れることもあるかもしれない船上劇場。指原の舵取りとともに、どんな姿になるかが楽しみだ。

AERA dot.

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