福島第一原発の処理水放出以降、福島県内の飲食店などに中国からとみられる迷惑電話が相次いでいます。なぜ、こうしたことをするのか。発信者を直撃しました。
■迷惑電話「1000件は優に」 番号の頭に「86」
東京・浅草にある福島県発祥の店です。福島県内にある店舗では、25日から日本語ではない不審な電話が相次いでいて、ここ数日で1000件を超えているといいます。
福島県内の飲食店や旅館に殺到している迷惑電話。直接対応したラーメン店の役員は、次のように話します。
麺処若武者 山本一平代表取締役:「最初は、普通にいたずら電話と思ったんですけど。うちの会社だと、1000件は優に超して。あとは電話回線、ひどいところ(店舗)は、抜いちゃっている」
処理水の放出から一夜明けた25日から迷惑電話がかかり始め、その後、1分おきに殺到。今なお続いているといいます。
電話の相手は、片言の日本語を交え抗議してきました。
山本代表取締役:「ショリスイとかカクとか、フクシマとかは言っていたので。今回の問題かとは思っていた。バカとか死ねとか、なんだかんだ言って、早口でしゃべって、切るみたいな感じ」
山本さんがメモした迷惑電話の番号です。頭にはすべて「86」の数字。これは、中国本土の国番号を意味しています。
■迷惑電話の番号に直撃 意図を問うも…
この番号に電話をかけ、その意図を問いただしました。
通訳:「もしもし、こんにちは」
男性:「はぁ?だれ?」
通訳:「なぜ、ラーメン店に電話したんですか?」
男性:「知らないよ」
通訳:「知らないって?」
男性:「この電話は、俺のところになかった。お店に置きっぱなしで、俺のところになかった」
男性はこう話すと、一方的に電話を切りました。
中国のSNSに投稿された動画です。日本への迷惑電話をかけている様子を撮影したものとみられます。
日本人:「南相馬警察署です」
男性:「お前、良心持ってない。死ね」
中国にある日本の施設にも影響が出ています。日中外交筋によりますと、日本人学校で、山東省では石が、江蘇省では複数の卵が投げ込まれました。いずれも、処理水放出を巡る中国人の嫌がらせとみられています。
中国 外務省会見:「日本政府は国際社会の強い反対を無視し、福島核汚染水の海洋放出開始を強行し、公然と核の汚染リスクを全世界に転嫁しました。これは極めて身勝手で、極めて無責任な行為です」
日本時間25日の会見で、こう主張する中国外務省。当局は、こうした見解にそぐわない“処理水は安全だ”とするニュアンスの書き込みを削除している可能性があります。
外務省は中国大使館に対し、中国国内からの嫌がらせなどの電話が相次いでいることを申し入れ、中国政府が処理水について正確な情報を発信するよう求めています。
■鮮魚店「これからどうなるのか様子を…」
27日、環境省は福島第一原発周辺海域のモニタリング結果を発表しました。トリチウムは海水を採取した11地点すべてで、検出できる限界値を下回りました。
都内の魚料理店。メニューには、福島県産の“ヒラメの薄造り”があります。市場を回ったところ、いいヒラメを見つけ、少し値は張りましたが、1つ仕入れたといいます。
魚修 佐藤修店主:「きのう買い求めたやつです。1キロほどの小さなヒラメだが、身もしまっていて、ねっとりしていておいしいと思う」
福島県産のヒラメは秋に向けてさらに質が上がっていくため、仕入れる機会も増えるといいます。
佐藤店主:「(Q.実際、客に聞かれたりは?)今のところ、そんなに(処理水が)話題になったりはしない。これからどうなっていくのか、様子を見ながら、自分たちも色々改めないといけないのかなと思う」
(「グッド!モーニング」2023年8月28日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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