ウイルス感染を防ぐため学校が休みになったことで、給食を提供するパン工場が厳しい状況に追い込まれてます。3月の学校給食は「ほぼゼロ」。つまり、工場の収入も無くなってしまいました。
 和田啓記者「静岡市のパンとご飯を扱う工場です。本来、この時間は多くの人が働きこれらの機械がフル稼働しているはずですが、今は一台も動かず静かな状態です。」
 パン工場の責任者「(Q、これは学校給食用のケース?)青いほうがお米用、黄色い箱がパン用。給食が稼働していないので今はは積んであるだけ」
 こちらの工場ではほぼ毎日、静岡市内30校の給食に提供するパンやご飯を作っています。しかし、今週から県内の学校は一斉休校となり、給食による収入はすべてなくなりました。
 パン工場の責任者「私たちの本分として、子どもたちにおいしい給食をお届けしたいとやっているが、突然それが断ち切られたということで非常に歯がゆい思い」
 学校給食の収入は工場の売り上げの全体の7割から8割を占めます。原材料はありますがパンを作らなければお金にならず、20人ほどの従業員が自宅待機となりました。
 パン工場の責任者「いずれは収束すると思っているが、先が見えないので果たしていつまでこの状態が続くか、非常に危惧している」
 県学校給食パン協同組合によると、県内26の工場が800以上の学校にパンやご飯を納品していて、2019年3月は7000万円ほどの収入を得ていました。
 県学校給食パン協同組合・足立哲也理事長「一気に政府の要請によってゼロ円になってしまった。まったくゼロ円です。生活が成り立たないというか、工場の存続も危ぶまれる」
 各工場からのアンケートには収入への不安や経営の苦しさを訴える言葉が並びました。
 足立理事長「ボディーブロー的に経営には影響は及ぼしてくる。一部工場は4月もこの状態が続くようなら学校給食の仕事の辞退も視野に入れているという報告もある。非常に危惧する状態」
 突然の一斉休校は給食には欠かせない牛乳の生産者も苦しめています。
 ふじのくに乳業は、富士宮で生産された牛乳を地元の小学校の給食に供給するため酪農家らの手によって2018年設立されたばかりのメーカーです。
 この会社は富士市と富士宮市の小中学校に1日当たり3万3000パックを供給していました。しかし、一斉休校が実施されたため一気に売り上げはゼロに。用意された牛乳はすべて廃棄されました。それでも工場設備の維持管理に1日30万円ほどのコストがかかります。

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