バーベキューの火で生徒死亡 「短時間で焼こう」と教師が消毒アルコール

バーベキューの火が服に燃え移り、18歳の男子生徒が死亡した。

火を強めるために使われたのは、消毒用アルコール。
その危険性を検証した。

夏を前に、バーベキュー気分が盛り上がる季節。

ただし、火の扱いには十分な注意が必要。

福岡・柳川市の「ハリウッドワールド美容専門学校」で、18歳の男性生徒が死亡する事故が発生。

原因は、バーベキューの火が服に燃え移ったことによるものだった。

学校の敷地内にある場所では、毎年、先生と生徒の交流を深めるバーベキューが行われていたという。

コロナ禍前の2019年に学校で開かれたバーベキューの映像。
多くの生徒がコンロの周りを囲んでいるのがわかる。

学校は5月24日、伝統行事としてきたバーベキューを開催。

学校側によると、およそ500人が参加し、会場には12台のコンロを設置したという。

事故の引き金となったのは、コロナ禍で必需品となった手の消毒用アルコールと、教師による危険な行動だった。

学校側は、火が付きやすくするため、あらかじめ炭に消毒用アルコールをかけていた。

やがて、コンロのうち1台の火が消えそうになったことから、教師が炭に消毒用アルコールを追加。

すると、「ボン」という音を立てて青い火が燃え広がり、18歳から20歳までの男性生徒4人の衣服などに燃え移ったという。

福島・郡山市が公開した検証映像。
火が付いたろうそくに消毒液をかけると、大きな音を立てて、赤と青の炎が燃え広がった。

やけどを負った4人のうち、18歳の男子生徒が入院。
6日になり容体が急変し、死亡した。

警察は、業務上過失致死傷の疑いで捜査。

古賀郁学園長は、バーベキューに消毒用アルコールを使用した理由を、「熱中症などを防ぐため、短時間で焼こうとした。アルコールを使ったのは今回が初めてだった」と説明した。

バーベキュー中に起きた痛ましい事故。

炭にアルコールを混ぜると、どのような危険が生じるのか。
専門家立ち会いのもと、安全な距離をとって検証した。

ドラム缶の中を見ると、アルコールにより燃えた火は、そこまで大きくないように見える。

しかし、その見た目にこそ危険が潜んでいると専門家は指摘する。

日本防火技術者協会・鈴木弘昭理事「火が消えていると思ってやってしまう?)炎は見えないんです。だけど熱は出ているんです。アルコールはすごく揮発しやすくて、かけている液体の周りにガスがたくさん出ている。そのガスに火がつくので、炎がわっと出ます。すごく危険です」

都内にあるバーベキュー会場では、着火や火の調整などの全てをスタッフが担っているといいう。

THE BBQ BEACH in TOYOSU「お客さまによっては、途中で火を強めたいからアルコールを追加したような動作をする場合もあるが、店内巡回をしているので、火力を強くしたいというご注文があれば、こちらで炭の追加などを行う」

これから本格化するバーベキューシーズン。
安全に楽しむため、火の扱いには十分な注意が必要。

FNNプライムオンライン
https://www.fnn.jp/

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