女性議員が過去最多も…女性候補に立ちはだかる壁【報道特集】|TBS NEWS DIG

各地で過去最多の女性が当選した統一地方選挙。それでも女性議員の割合は2割程度です。番組では産後2か月で選挙に挑んだ女性らを取材。そこから見えてきた女性候補に立ちはだかる壁とは。

■産後2か月 子育て女性の選挙戦

東京・国分寺市の市議会議員選挙に初めて立候補した松岡真里さん(38)は、2か月前に出産したばかりだ。

長時間の移動や演説は、産後の身体への負担も大きい。ベンチがある場所では座って演説するのが松岡さんのスタイルだ。

この日は選挙戦最終日の土曜だが、向かった先は自宅。
産まれたばかりの子どもに授乳するため、遊説中でも数時間置きに帰宅しているのだという。平日は学校や保育園に通っている兄妹もこの日はお休みだ。

産後2か月で立候補 松岡真里さん
「お迎えも昨日は行って、毎日いろいろある」

家事や育児は、育休中の夫だけではなくママ友にもフォローしてもらいながら乗り切っている。

松岡さん「(選挙カー)次は1時半に来てくれる」

選挙活動に割ける時間は限られる。

■女性候補に立ちはだかる壁

松岡さんのような、子育て中の女性候補者を支援している人がいる。田村真菜さん(34)。田村さん自身も子育て中の選挙を経験し、高いハードルを感じたひとりだ。

立候補したのは2022年の参議院選挙。
当時3歳の子どもをやむなく連れて遊説したことが「18歳未満は選挙運動することができない」と明記する公職選挙法に違反するのではとの批判を浴びた。

田村真菜さん
「『子どもを利用するなんておかしい』という意見もあれば、『預けられない候補者は管理能力がない』とか、サポートがある人が立候補することが前提になっている。私自身も公認を取るまでにいくつかの党と面談させてもらったが、24時間家族のサポートが得られるのか面談で聞かれたり。子どもはもう産まないですよね?と聞かれたこともあった」

その後、子育て中の女性候補を支援する「こそだて選挙ハック!プロジェクト」の立ち上げに加わり、子連れ選挙の環境整備などを訴えてきた。

あいまいになっていた子連れ選挙のルールについて、総務省は2023年3月に見解を発表した。その中の事例では、子どもを同行させているだけなら問題ないとされた。だが、一緒に「ガンバロー」コールをするなど、子どもが投票を働きかける行動をした場合は公職選挙法に抵触する恐れがあるとされた。

ただ、子どもが親のマネをして手を振ってしまう恐れなどから、結局同行させられないと話す女性は多いという。

産後2か月の松岡さんもハードルを感じた場面がある。
総務省の見解では「選挙カーに乗せて授乳することは問題ない」との認識が示されたが・・・

松岡さん
「制度は一応大丈夫となっても、実際どうなのと思うものはある。そういう人が立候補するなということですよね、きっと」

それでも、松岡さんは初当選を果たした。今後の市議活動でも日常の生活の延長線で政治に関わる姿を示していきたいという。

松岡さん
「無理させたくない、子どもたちにも。普通の日常の中に選挙があっていい」

今回の統一地方選挙では 各地で女性の当選者数が過去最多を更新。市議選(政令市除く)では初めて女性の割合が2割を超える結果となった。しかし、女性の人口比(51%)に対してバランスが取れているというには程遠い。

■女性議員急増 フランスでは

フランスは女性議員の比率を20年間で4倍近く増やした。

下院にあたる国民議会では、G7先進7か国の中でトップとなっている(IPU調べ)。女性議員の割合は現在38%だが、90年代中頃までは日本と大差はなかった。

パリ市民
「女性の要望が議会で理解されるようになりました。本来そうあるべきです」
「世界は半分男性・半分女性で構成されているので、代表者も半分ずつは当たり前のことです」

女性議員が急増した理由は、各政党に対して男女半数ずつの候補者を義務付ける「パリテ法」と呼ばれる法律が制定されたからだ。

下院の場合、各党の男女の候補者の人数差が2%以上になると政党助成金が減らされる。男女差が大きくなるほど減額率もあがる仕組みだ。

州に相当する議会の候補者名簿には上から男女の名前が交互に並び、上位から当選者が決まる。男女交互でない名簿は受理されない。

さらに、県議会議員選挙では“男女ペア立候補制度”が採用された。男女一組で立候補し、有権者もペアに対して投票する。

県議選候補者PR動画(2021年6月)
ペア候補「ダイナミックに結束した私たちのペアが、この地区を担当します」
ペア候補「彼女と連携し私たちの町を活性化させます」

2人は2021年当選。こうした制度の運用で県議会の女性比率は50%となった。徹底して女性議員を増やしたフランス。政治学者はその変化についてこう話す。

パリ政治学院 研究員 レジャン・セニャックさん
「初めは議員たちの間で反対意見もありましたが、法律ができ、運用が進むと女性議員の数が増えていきました。そして差別も減っていきました。議会だけではなく、職場や一般の生活でも男女平等が促されています」
…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230429-6082200)

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