安倍首相は、「必要であれば、ちゅうちょなく決断し実行する」と緊急事態宣言の発令に対して、これまでよりも一歩踏み込んだ姿勢を示している。
福岡・北九州市にある新小文字病院。
現在、外来の受け付けは停止。
人の出入りがなくなった病院をよく見ると、スタッフがテーブルや手すりを拭いていた。
実はこの病院で、1日に医療スタッフ17人が新型コロナウイルスに感染していることが確認された。
感染を受けて、外来の受け付けなどを停止している新小文字病院は、2日も人の出入りはほとんど見られない状況。
これを重く見た福岡県・小川洋知事は、「県においては、先ほど、北九州市からの要請を受けまして、ただちに厚生労働省に対しまして、クラスター対策班の派遣依頼を行った」と述べた。
感染した17人に発熱などの症状はない。
しかし、この病院では、3月末に80代の入院患者の感染が確認されている。
そのため、病院で感染者の集団・クラスターが発生した可能性が高いと判断。
入院患者およそ180人と病院の職員およそ600人にPCR検査を急ぐ方針。
新小文字病院の院長は、「“まさか”というのが正直な感想でした」とコメントしている。
神奈川・横浜市保土ケ谷区にある横浜市立市民病院。
この病院は、新型コロナウイルスの患者を受け入れている感染症指定医療機関。
ここでも20代の女性研修医の感染が確認された。
横浜市の会見「(女性研修医は)常にマスクを着用されていますが、研修医の控室・バックルーム等では、常時マスクをしていたということではないと発表」
症状が出た3月26日を含めた4日間、救急外来や手術室などで研修を受けていた。
市民病院は、指導医4人と研修医45人を濃厚接触者として自宅待機させている。
この女性をあわせて、2日は横浜市で男女9人の感染が発表された。
うち男性1人は重症。
2日は、北海道と福井で、あわせて2人が死亡。
国内で感染した人の死者は71人となった。
感染拡大で、国会も異例の光景となった。
午後1時から始まった衆院本会議。
安倍首相は、布マスクを着用。
皆、マスクを着けて新型コロナウイルス対策。
そんな中、気になるのが79歳の麻生財務相。
会議場に入るなり、マスクを片耳にかけたまま談笑していた。
答弁に立つ安倍首相も布マスクを着けたまま。
安倍首相「来月にかけて、さらに1億枚を確保するめどが立ったことから、全国で5,000万余りの世帯すべてを対象に、1住所あたり2枚ずつ配布することとしました」
本会議では、緊急事態宣言についての質問も出た。
安倍首相「時々刻々と変化する事態の先を見通しながら、国民の命と健康を守るために、必要であればちゅうちょなく決断し、実行してまいります」
1日は使わなかった「ちゅうちょなく」という言葉を用いて危機感を示した。
2日、東京で新たに95人以上の感染が確認された。
1日の感染者数としては最多。
加速する感染拡大。
緊急事態宣言は、現実のものになるのだろうか。
(2020/04/02)
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