スーダンで軍と民兵組織の対立が激化し、国連職員が死亡、外交官らも襲撃される事態となっています。番組が取材した現地で滞在する日本人が今、何が起きているのか証言してくれました。
■現地の日本人…「窓を突き破って銃弾が家に」
死者は少なくとも270人。戦闘による犠牲者は、さらに増え続けています。
日本国際ボランティアセンター スーダン駐在・今中航さん:「まさかここまでエスカレートするとは、予想していなかった。銃撃音を聞いたり、家の窓を突き破って銃弾が入ってきたり、(首都)ハルツームで大きな軍事衝突が起きたという感じ」
アフリカ北東部、スーダンで突然起きた軍事衝突。現地で活動するNGOボランティアの今中さんも、知人が命を落しました。
今中さん:「事務所のクリーナーさん(清掃係)の親戚や、プロジェクトの関係者の親戚が兵士として戦闘に参加して亡くなられたとか、撃たれてけがをしたとか…」
今中さんは、戦闘の激しい首都ハルツームから仕事で離れていたため、難を逃れることができました。
■長引く国内紛争 “国軍”と“民兵組織”が並び立つ状況に
インド人旅行者:「早く逃げろ!早く!」
兵士たちは、旅行者にも銃を向けたといいます。
インド人旅行者:「私たちが道路を渡ろうとしたら、兵士が銃を向けたので逃げました。ほら、あそこに兵士がいる」
これは、スーダン国軍の兵士たちです。
国軍兵士:「壊せ!破ってしまえ!ろくでもない民兵組織の看板なんて引きずり下ろせ!」
スーダンでは、長引く国内紛争によって、国軍と民兵組織の2つの軍事組織が並び立つ状況になっていました。
今月中に、統一する約束となっていましたが、双方が既得権益など、権力を巡って対立。軍事衝突に発展したのです。
今中さん:「上の立場にいる人たちは立場や権力、お金を失ってしまうのを危惧して、統一に抵抗感がありました」
■「ゴールド利権」が軍事衝突の“引き金”か
スーダンは世界でも有数の金の採掘量を誇ります。採掘や流通を一手に握る者が、権力と富を手にします。
この「ゴールド利権」が、軍事衝突の引き金の一つになったとみられています。
これに目を付けたのが…。
CNN:「ロシアがスーダンから金を密輸したのは、この1年半で、分かっているだけで16回に及ぶ。厳しさを増す西側諸国からの制裁に対抗し、ウクライナでの戦争を支えようと、スーダンの富を略奪しているのだ」
2014年のクリミア侵攻を機に、ロシアはスーダンに急接近を始めます。
ウクライナとの戦争を控え、戦費調達の突破口と位置付けられたのが、スーダンの金だったと指摘されています。
(「グッド!モーニング」2023年4月19日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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