【捜索続く】陸自ヘリ新たに機体の一部発見…消息絶った原因は

沖縄県の宮古島沖で陸上自衛隊のヘリコプターが消息を絶った事故で、7日も機体の一部などが発見されました。機体には幹部ら10人が乗っていたといいます。ヘリコプターに何があったのでしょうか。機体の異常・緊急時の対応の2つの点に注目しました。

7日午後2時半ごろ、沖縄・宮古島市に海上保安庁の巡視船が捜索から戻ってきました。巡視船の上には大きく破損した機体の一部らしきものが積まれていました。6日に続き、救命ボートも見つかったといい、どちらも折りたたまれた状態だったということです。

また早朝までの捜索では、陸上自衛隊と書かれたドアが見つかるなど、これまでに12点の機体の一部のようなものが発見されています。

6日、宮古島沖で消息を絶った陸上自衛隊のヘリ。乗っていたのは10人で、その内訳は、陸上自衛隊第8師団のトップで先月着任したばかりの坂本師団長ら5人とヘリを運用する4人。さらに関係者によりますと、“宮古島駐屯地のトップ”宮古警備隊長の伊與田一等陸佐も乗っていたといいます。

政府関係者
「新着任の師団長による視察だったので、お付きの幕僚も多数搭乗していた。第8師団は南九州を管轄する精鋭部隊。かなり大きな損耗だ」

6日、宮古島分屯基地を午後3時46分に離陸したヘリ。およそ1時間20分飛行し戻る予定でしたが、離陸からわずか10分後、レーダーから機影が消えました。

ヘリが消息をたった頃、低空で飛行するヘリが目撃されていました。

池間島の住民
「高めを飛んでいるイメージなんですけどヘリコプターのイメージって。ちょっと低いなというのが印象的で気になっていた」

ヘリに、何が起きたのでしょうか。機体の異常・緊急時の対応の2つの点について注目しました。

まずは、機体について。陸上自衛隊によりますと、消息を絶ったのは、陸上自衛隊の多用途ヘリコプター「UH60JA」。2015年に茨城県で起きた水害では、救助活動にも使われました。この「UH60JA」について専門家は…

元陸自東部方面総監 磯部晃一さん
「哨戒ヘリコプター、あるいは救難機として信頼性の高いヘリコプター。過去、不具合というのはあまり聞いたことがないですね」

消息を絶った機体は先月、飛行時間が50時間に達するごとに行う「特別点検」を実施。実際に飛行しての点検も行い、異常はなかったとみられています。

次に注目したのが、緊急時の対応について。

元陸自東部方面総監 磯部晃一さん
「一つのエンジンが止まっても、もう一つのエンジンで飛行が可能ですので、自由降下をしながら(海に)安全に不時着する方法がある」

しかし今回はかなりの衝撃を受けたのか、機体はバラバラに。また機体が海水につかった際などに自動で発信される「救難信号」について、陸上自衛隊は周辺の管制などが受信していなかったといいます。急激にヘリの事態が悪化したのでしょうか。

ヘリは消息を絶つおよそ2分前、下地島の空港の管制と無線で交信していたことが7日新たにわかりました。しかし、その内容はわかっていません。悪天候ではなかったというなかで起きた事故。

浜田防衛大臣は捜索にあたる陸上部隊を、当初の20人から200人以上に増やし、海上保安庁と連携しながら捜索に全力を尽くすとしています。
(2023年4月7日放送「news every.」より)

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