はるか上空に浮かぶ、白い球体。
月にも似たこの謎の物体をめぐり、2つの大国が応酬を繰り広げる事態になっている。
2月1日にアメリカ北西部のモンタナ州上空で撮影された映像。
この映像には、月も収められていて、この球体が月とは別のところにあることがわかる。
さらによく見ると、この球体には、ソーラーパネルのような装置が付いていた。
この謎の物体について、アメリカ国防総省の報道官は驚きの見解を示した。
米国防総省・ライダー報道官「アメリカ政府は現在、本土上空にある“高高度偵察気球”を発見し、追跡している」
これは、スパイバルーン。
つまり偵察用の気球だという。
さらに驚くことに、国防総省の高官は、「このスパイバルーンが、中国のものであると確信している」と断言したのだ。
アメリカ政府関係者などの話を総合すると、このスパイバルーンは、中国からアリューシャン列島そして、カナダ上空を飛行して、モンタナ州に到達したという。
モンタナ州には、重要な軍事施設などがあり、国防総省も、「スパイバルーンが数日前から、機密性の高い地域を飛行している」としている。
アメリカ国防総省は、このスパイバルーンが中国のものであるとする根拠については、明言していない。
一方で、バルーンが現れたモンタナ州の議員は、「撃ち落とせ」と怒りのツイートを発信した。
さらに、マッカーシー下院議長も、「中国によるアメリカの主権を無視した行動は対処しないといけない」と中国を名指ししてけん制した。
今回の一件は、すでにバイデン大統領にも報告され、実際、撃墜に向け、F-22ステルス戦闘機も待機したという。
しかし、落下物など地上への影響も考慮され、撃墜は見送られたとしている。
スパイバルーンの出どころとされる中国。
SNSでは「(アメリカの)自作自演でしょ」、「根拠がないのに無理やりでっちあげるのか」、「日本人がやったのでは?」などという声が上がっていた。
そして、日本時間3日午後、中国外務省の毛寧報道官は、「事実関係を確認中。推測やいたずらに騒ぎ立てることは、問題解決のためにならない。中国は責任ある国家なので、他国の領土・領空の侵犯をするつもりはない。双方が冷静に、慎重に、問題を処理することを望む」と反応した。
アメリカを見下ろす、このスパイバルーン問題。
米中間に新たな緊張をもたらしそう。
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