全国で相次ぐ強盗事件…フィリピンの日本人4人に逮捕状　狙われやすい家は？効果的な防犯対策とは？【解説】｜TBS NEWS DIG

2023年1月30日 2023年1月30日 6分24秒

negigasuki

全国で強盗事件などが相次いで発生しています。警察庁は14都府県20以上の事件が一連のものと疑われるとし、「指示役」とされるフィリピンの収容所にいる日本人の男4人に対して逮捕状が請求されています。
防犯意識が高まる中で…果たして私たちはどのような点に気をつければいいのでしょうか？狙われやすい家、効果的な防犯対策など、元大阪府警刑事の専門家とともに見ていきます。

＝全国で相次ぐ“連続強盗”　フィリピンの収容所から指示？＝

南波雅俊キャスター：
全国で強盗事件が相次いでいます。東京だけでも3例。この他、神奈川・千葉・埼玉、広島や山口なども含めて14の都府県で強盗などが20件以上。これが同一グループによる犯行だとみられているのです。

なぜかというと、犯行の手口が似ています。
▼SNSで実行犯の募集
▼複数人で犯行
▼指示を受けて犯行　など

その構造は、まず「指示役」と「実行犯」に分かれます。指示役は「ルフィ」や「キム」と名乗っています。
その下に実行犯が複数人いるのですが、キムの下にいた実行犯の男（山口・岩国市　強盗未遂事件の被告）は「指示役の上にさらに誰かがいると思う」と話しているのです。

犯行グループを知る男性による「フィリピンの収容所にいる人たちの指示で犯行が行われている」という証言もあります。

収容所にいる日本人の特殊詐欺グループの男らが、この連続強盗に関与している疑いが強まっています。どうやっているのかというと、入管職員にワイロを渡してスマホを使える状態にして、遠隔で指示をしていたのではないかという状況です。
警視庁としては、特殊詐欺に関わっていたとして収容所にいる日本人の男4人に逮捕状を取っている状況です。

ホラン千秋キャスター：
一連の事件、着々と中心に近づいている印象はあるんですが、「指示役の上に誰かいると思う」という強盗未遂事件の被告の発言もありました。その先にも組織や人物がいる可能性もあるんでしょうか？

元大阪府警刑事　中島正純さん：
やはり反社会勢力の人物たちが指示役をやっていると。その上に、反社会勢力の暴力団に資金が流れているのではないかなと思います。

ホランキャスター：
フィリピンの収容所に入っているとされている指示役の人物。身柄の送還は、今後手順としては簡単にできるものなのですか？

元大阪府警刑事　中島正純さん：
日本とフィリピンの犯人引き渡し条約はありませんので、ハードルは高いです。日本での犯罪は法律は日本だけしか効力が及ばないので。
どうするかというと、例えば日本の旅券（パスポート）を停止するとフィリピンの中でオーバーステイ（不法残留）になるので、その時点でフィリピンの当局が身柄を確保して日本へ強制送還する形になります。現在、収容所に収容されてるということですから、そこら辺はスムーズにいくのではないかなと思います。

＝強盗に狙われやすい家とは…「隣の家と距離が空いている」「見通しが悪い」＝

南波キャスター：
では、どんな家が狙われやすいのか？被害を受けているのはほとんどが一軒家ということで、中でも注意が必要なものがあります。

【注意が必要な一軒家】
▼隣の家と距離が開いている
▼塀、植栽などで見通しが悪い

【注意が必要なマンション】
▼オートロックなし
▼防犯カメラなし

全国で強盗が続いている中で、防犯グッズを買い求めている方も増えているようです。

＝「防犯意識高まった」　“防犯グッズ”の需要急増「チャイム」売上45倍＝

都内のホームセンターでは、防犯グッズを買い求めるお客さんが増えたため、1月26日から特設コーナーを設置しました。

ユニティ狛江店　中西功副店長
「先日の事件を受けまして、家屋を守りたい、ご自身の身を守りたいというお客様の声をたくさん聞きます」

売れているのが、動いている人などを感知する「防犯センサーライト（4378円）」やサッシの内側に装着する二重ロックの「サッシロックスリム 4P（987円）」です。去年と比べて、2倍～3倍の売上になっているといいます。

そんな防犯グッズの中でも特に売れているのが▼「防犯チャイム」のコーナーです。窓が開けられると大音量のアラームで知らせてくれます。2022年と比べて約45倍も売れているそうです。

他にも訪問者の映像が残る▼ドアホンなど、高額商品への問い合わせも増えているといいます。▼金庫も非常に需要が高まっていて、金庫ごと運び出されないように大きいサイズの売り上げも伸びているということです。

＝ポイントは“侵入を遅らせること”＝