福岡・博多駅前で女性が殺害された事件で、逮捕された男が職務質問された際、伊達(だて)眼鏡を掛け、変装していたことが分かりました。男が確保される直前の映像には、フードをかぶって歩く男の後ろを、捜査員が尾行する様子が映し出されていました。
福岡市博多区に設置された防犯カメラ。黒い服装でフードをかぶり歩いているのは、捜査員に声を掛けられる直前の寺内進容疑者(31)とみられます。その数秒後に、捜査員らしき人物が後をつけている様子もありました。福岡県警による「見当たり捜査」の瞬間です。寺内容疑者が、身柄を確保されるまでの様子が取材から徐々に分かってきました。
任意同行のおよそ1時間半前には近くの裏道りで容疑者らしき男が一人で歩いていたという目撃情報も…。
任意同行される直前の容疑者を目撃した人:「最初、目が一瞬合ったんだけど、あっち側(顔を背ける)を向いてちょっとこんな感じだったから、事件を知っていたので、それで顔をそらしたのかなと思って気になっていたんですよね。本当にここは知っている人しか通らないから『もしかしたら…』と思って。裏通りなので、行くんだったら大通りを通るんですよ」
犯行直後に現場から立ち去る寺内容疑者の姿。さらに、別の防犯カメラには現場付近で男女2人が通り過ぎた後、今度は寺内容疑者とみられる男が一人で逆方向へ進む様子が映っていました。一人で走って行った方角は、犯行があった場所からみると自宅方面へ向かったとみられます。
警察によりますと、18日路上で声を掛けられた際も、犯行時と同じような上下とも黒っぽい服装だったそうです。
福岡県警の会見:「(Q.任意同行を求めた時の被疑者の様子は?)特段抵抗はなかったと聞いております」「(Q.素直に従って署まで同行した?)はい」
容疑者の所持品からは刃物が見つかっていて、事件で使われたかどうか鑑定を急いでいます。
そして今回、容疑者を発見したのは刑事総務課の「見当たり捜査員」だったことが会見で明らかになりました。
福岡県警の会見:「防犯カメラ映像の追跡等々、こういったものから本件の被疑者と特定したということであります」
「見当たり捜査」とは、警察の捜査手法の一つで各県警に専従の捜査チームがあります。
テレビ朝日 警察庁担当・石塚翔:「指名手配犯など捜査対象者の顔写真を頭にたたき込み、被疑者の立ち寄りそうな繁華街や大きなターミナル駅など、多くの人が集まる場所から対象者を見つけ出す捜査です。基本、空いている時間は顔写真を覚えることに時間を費やしており、眼鏡を掛けたり変装していても目元や鼻の形、口の周りの特徴から本人が特定されます」
任意同行を求められた時の寺内容疑者の格好は変装のためか、メガネを掛けていたことなどから外見では顔が分かりにくい状況だったと考えられます。
テレビ朝日 警察庁担当・石塚翔:「防犯カメラなどに歩く姿が残っていれば歩き方の癖など、その人の特有の体から醸し出される色んな情報も特定の一因となります」
18日午前11時半ごろ、福岡市にある繁華街・中洲で容疑者と似ている男を発見した「見当たり捜査員」は、800メートルほど追跡し声を掛けたのが古門戸町です。場所は容疑者の自宅に近く、歩いて10分ほどの距離。
18日に捜査員に声を掛けられる直前の寺内進容疑者とみられます。その後ろから捜査員が追っていたということです。見当たり捜査が実際に行われたことを表しています。
事件発生から任意同行までおよそ42時間…。容疑者は何をしていたのでしょうか。
福岡県警の会見:「本件の認知段階から川野美樹さんがきょう(18日)39回目の誕生日ということは認識していた。何とかこの日までに被疑者を逮捕したいと強く思っていたところであります」
寺内進容疑者:「刃物で川野さんを刺したことに間違いありません」
寺内容疑者が働いていた飲食店の関係者によりますと、その店には川野さんも客として来ていたと話します。
寺内容疑者の勤務先関係者:「容疑者は去年4月から働き始めて、最後に出勤したのは今月14日(事件2日前)。美樹ちゃんはたまに店に来ていました。アフターではなく普通に客として来ていた感じ。2人が付き合っていたのはストーカーの話が出るまで知らなかった」
また、元同僚の男性は…。
寺内容疑者の元勤務先の店長:「上の人間にはハイハイとペコペコする感じで、なんか二面性があるじゃないですけどそういう感じではありましたね。意見を言わないじゃないですけど、NOを言わないような感じだったんで、思ってることが、感情が分からないですね。今考えたら」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
powered by Auto Youtube Summarize