「ウクライナのせいではない」NATO事務総長ロシア側を非難 ポーランド着弾のミサイル“ウクライナ側の迎撃ミサイルの可能性”も|TBS NEWS DIG

ウクライナの隣国ポーランドに着弾し、2人が死亡したロシア製のミサイル。どこから発射されたのか?NATO北大西洋条約機構の事務総長は、16日「ウクライナ側の迎撃ミサイルの可能性が高い」との見解を示しました。

■ポーランドに着弾のミサイル ウクライナ側の迎撃ミサイルか

ミサイルの着弾地点とされる場所で撮影された写真では、地面はえぐれ、大きな穴ができていることがわかります。地面に見える無数の茶色の粒は穀物とみられます。トラックは横転しています。この現場で2人が犠牲となりました。

同僚を亡くした男性
「最初は穀物の貯蔵倉庫が爆発したのかと思いましたが、ミサイルだったと分かりました。みんな死にました。私も死んでいたかもしれないんです」

ミサイルが着弾したのは、ウクライナに隣接するポーランドの領土内です。国境近くの村・プシェボドフで中心部はウクライナから8kmほどしか離れていません。

ポーランド政府によりますとミサイルが着弾したのは現地15日午後3時40分頃。プシェボドフにある穀物倉庫付近だといいます、

現場付近では立ち上る黒煙が撮影されていました。

ポーランドのドゥダ大統領
「現在調査中だが、ロシア製のミサイルである可能性が高い」

ポーランドはNATOの加盟国で、ロシアによるウクライナ侵攻後、NATO加盟国に着弾し犠牲者が出たのは初めてです。

ウクライナのゼレンスキー大統領はこう呼びかけました。

「ロシアによる、集団安全保障への攻撃だ。行動が必要です」

アメリカのバイデン大統領はツイッターで、滞在先のインドネシアでドゥダ大統領と電話会談したことを明かしました。

「他の人が到着したら会合を始めます」

岸田総理
「わかった」

その後、バイデン大統領はG7とNATOの首脳らを集め、緊急会合を開きました。

アメリカ バイデン大統領
「軌道から考えると、ロシアから発射されたとは考えにくい」

ドイツの通信社によりますとバイデン大統領は緊急会合で、ポーランドに着弾したのはウクライナから飛来した地対空ミサイルだった兆候があると説明したということです。

ロシア国防省の報道官
「プシェボドフで見つかった残骸の映像は、ロシアの軍事専門家によって、間違いなくウクライナ空軍のS-300であることが確認されている」

スロバキア政府がウクライナに提供した地対空ミサイルシステム・S-300は旧ソ連が開発したもので、ウクライナ軍も保有しているといいます。

防衛省防衛研究所 兵頭慎治政策研究部長
「今回、ロシアから発射されたミサイルを迎撃するためにウクライナ軍が発射したものではないか。ウクライナ側の迎撃が失敗して、ポーランドに着弾したという見方が強まっている」

ポーランドにミサイルが着弾した11月15日、ロシアはウクライナ各地に大規模な攻撃を仕掛けていました。この攻撃を防ぐためにウクライナ側が迎撃に使ったミサイルが着弾した可能性があるのです。

■「ウクライナのせいではない」NATOはロシアを非難

実際、10月31日にはこんな例も。ウクライナの隣国・モルドバ。民家の屋根が破損しています。

モルドバの住民
「屋根が落ちて、ベランダは完全に壊れました。物置の窓やドアのガラスも割れました」

これらの被害は、迎撃されたロシアのミサイルの破片によるものと見られているのです。

専門家は迎撃失敗による被害はウクライナ各地でも起きていると指摘します。

防衛省防衛研究所 兵頭慎治政策研究部長
「ウクライナ側もロシア側からのミサイル攻撃に一定程度迎撃に成功しているとは言う。しかしながら100%ではない。一定の確率で迎撃には失敗しているとみられる」

そして、日本時間11月15日午後8時半過ぎ、NATOの事務総長が会見。

NATO ストルテンベルグ事務総長
「事故はウクライナ側の迎撃ミサイルによって引き起こされた可能性が高い。しかしはっきり言うが、これはウクライナのせいではない」

攻撃を続けるロシア側が引き起こした結果だと指摘しました。

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