国税局職員ら“犯行グループ”の素顔・・・「罪にならない」若者に不正受給 LINEで指南か【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年6月6日)

 新型コロナウイルス対策の「持続化給付金」をだまし取ったとして、東京国税局の職員らが逮捕された事件です。犯行グループは、勧誘した若者にLINEで不正受給の方法を指南して、確定申告の書類を偽造していたことが分かりました。

■国税局職員ら“男女グループ”知人語る素顔

 国民から税金を徴収する“税の番人”が関与していた、巨額の詐欺事件。

 犯行グループのうち2人は、東京国税局に同期入局した幼なじみでした。

 塚本容疑者と中村被告の知人男性 :「明るい2人みたいな印象が強くて、結構色んな方と仲良くできたりとか」

 不正受給の申請役とみられる22歳の女。報酬として、65万円を受け取っていたことが明らかになりました。

 佐藤容疑者の中学時代を知る女性:「めちゃくちゃ責任感が強くて。憧れの先輩みたいなイメージでした」

 ドバイに逃亡したとみられる犯行グループのリーダーの行方は?

 犯行グループのリーダーを知る男性:「ロールスロイスを買って乗っていて。月に一回、家族でハワイに行っていたので・・・」

 コロナ渦の若者を巧みに誘い、組織的に不正受給を繰り返していた犯行グループの実態は?

■国税局職員ら役割分担・・・LINEで不正指南か

 新型コロナウイルス対策の持続化給付金をだまし取ったとして、東京国税局の現役職員ら複数の男女が逮捕された事件です。

 犯行グループは「持続化給付金指南役」というLINEのグループで連絡を取り合い、細かく役割を分担し犯行に及んでいました。

 犯行の計画を立てていたのは、大手証券会社の元社員・中峯竜晟被告(27)。実行を指示していたのは、今年2月ドバイに出国した30代の男でした。

 犯行グループメンバー:「給付金で暗号資産に投資すれば、2倍に増える」「個人投資家になるので、給付金をもらっても犯罪にならない」

 犯行グループは、勧誘した大学生らにLINEで給付金の申請方法を指南。LINE上で質問があった際は、中峯被告や元東京国税局職員の中村上総被告(24)らが答えていました。

 警視庁によると、手続きに必要な書類は、中村被告と塚本晃平容疑者(24)が偽造し、申請手続きは、佐藤凛果容疑者(22)が行うなど、役割は細かく分けられていたということです。

■東京国税局・同期の2人 知人語る“素顔”

 確定申告の書類を偽造したとみられる東京国税局の職員・塚本容疑者。塚本容疑者を犯行グループに引き入れたのは、偽造などの指南役で、すでに起訴されている幼なじみの中村被告でした。

 中村被告・塚本容疑者を知る男性:「明るい2人みたいな印象が強くて。結構、色んな方と仲良くできたりとか。自分が後輩っていう立場だったんですけど、フレンドリーに接してくれたりとか、印象に残っています」

 こう話すのは、2人と同じ熊本県内の小中学校に通っていて、部活や塾も同じだった男性です。

 中村被告・塚本容疑者を知る男性:「ちょこちょこ、不真面目な部分もあったのかなと、今思うとあって。例えば、部活でサボったりとか、学校とかにスマートフォン持ってきてはいけないんですけど、持ってきたりとか、塾でこそこそゲームしたりとか。そういったのは、記憶にはあります」

 中学卒業後、2人はそれぞれ別々の高校に進学。高校時代の中村被告を知る人物は、次のように話します。

 中村被告の高校時代の同級生:「見てる感じだと、いつも友達に囲まれてましたし。いつもニコニコしてる印象だったので、明るいほうでしたし。なので、友達は多いほうかなと思います。結構、スポーツもできるほうで、確かハンドボール部なんですけど。どっちかといえば、リーダー的な感じではあったかなと思います」

■塚本容疑者に報酬・・・中村被告から100万円

 明るく活発だったという中村被告。このころから、周囲に将来の夢を語っていたといいます。

 中村被告の高校時代の同級生:「公務員になるみたいな話は、言っていた気がします。警察官か県庁とか、そっち系の公務員になるために、勉強するみたいな話を言っていた」

 高校を卒業した2人は、公務員の試験を受けるための専門学校で再会。その後、東京国税局に同期で入局して働き始めると、今年の2月までマンションで同居していました。

 幼なじみの塚本容疑者に犯行を持ち掛けたのは、中村被告だったといいます。

 中村被告の高校時代の同級生:「(Q.中村被告が主犯格であることについて?)主犯格ってなっているけど、もっと上の人がいるんだと思っています。そんな主犯になるようなやつじゃないから、信じられないですね。赤信号でも、車なかったら渡る人っているじゃないですか。悪いことっちゃ悪いことだけど、バレないなら、ええやろみたいなやつの延長なのかなとは思いますけどね。軽い考えというか、普通に考えれば、分かるじゃないですか。税金、国のお金を詐欺することなんか、やっちゃいけないことだって分かるんですけど。そこの分別がついてない大人になっちゃっているのかなとは思いますけどね」

 捜査関係者によると、塚本容疑者は120万円の報酬を受け取っていたとされますが、そのうち100万円は中村被告から渡されていたということです。

■報酬65万円・・・佐藤容疑者 逮捕に知人困惑

 犯行グループの中で、申請手続きを行う役割をしていたとみられるのが、佐藤容疑者です。

 佐藤容疑者:「大手証券会社元社員の男から、誘われたから手伝った。報酬は一切、受け取っていない」

 不正受給とは知らなかったと容疑を否認していますが、捜査関係者によると65万円を報酬として、受け取ったことが明らかになっています。

 佐藤容疑者の中学時代を知る男性:「確か、体育祭の時に応援団長してたような気がします」「(Q.応援団長ですか?)はい」

 新潟県内の中学校で当時、体育祭で応援団をしていた佐藤容疑者。生徒らの先頭に立ち、応援団旗を手に持つ姿が映っています。

 佐藤容疑者の中学時代を知る男性:「(Q.どんな感じで応援団長やってた?)リーダーシップがあるような感じでした」「(Q.女性の応援団長は多い?)あんまりいなかったような気がします。僕の学校では」

 また、所属していたバレーボール部では・・・。

  佐藤容疑者の中学時代を知る女性:「バレー部で、体験入部でもしっかり教えて下さったし。部活が違っても、話してくれる人だった。同じメンバーとも仲良かったですし、後輩にもたくさん話してくれるタイプだった」

 佐藤容疑者は、人望が厚くリーダー的な存在だったといいます。

 佐藤容疑者の中学時代を知る女性:「めちゃくちゃ責任感が強くて、後輩からも慕われてたし、もちろん同級生からも、たくさん頼られてる方だなって印象です。生徒会も役員をやられてたし、それこそ運動会もリーダーとかやってたので。憧れの先輩みたいなイメージでした」

 周囲にとっての“憧れの的”。それだけに、今回の逮捕は、当時を知る人に衝撃を与えたといいます。

 佐藤容疑者の中学時代を知る女性:「(Q.事件のこと聞いてどう思った?)今、初めて聞いたんですけど、『私の思っている凜果さんなのかな?』みたいな。ちょっとびっくりしました。本当に、規律正しくみたいなイメージだった」「(Q.卒業されてからどこに?)全然分からないです」

 佐藤容疑者は、大学入学を機に上京し、地元にはほとんど姿を見せなかったといいます。

 佐藤容疑者の自己紹介(勤務先のホームページから):「高校まで新潟で育ち、大学の上京に伴い、東京に出て参りました。幸せに暮らすためのお手伝いさせて頂きたいと考えております」

 佐藤容疑者は、今年4月から都内の不動産会社に就職。勤務先でも、普通に働いていたといいます。

■“給付金詐欺”リーダー役 ドバイで豪華生活?

 幼なじみで申請の指南役だった塚本容疑者と中村被告。申請手続きを行っていた佐藤容疑者。その犯行グループのリーダーは、中東のドバイに逃亡しているとみられる30代の男です。

 詐欺グループのリーダーを知る男性:「(不正受給をするとか)そういったことはなかったです。むしろ、彼が始めたんだよって聞いて、そんな馬鹿なと思うくらい」

 こう話すのは、リーダーと暗号資産関連事業を通じて知り合った男性です。

 詐欺グループのリーダーを知る男性:「(リーダーは)ぱっと見は、本当におっとりしてる方。給付金詐欺とかするような人には見えなくて。信用できるんじゃないかなと思いました。初めて会った時は」

 言葉巧みに利用された若者たち。そこには、リーダーの男の巧妙な思惑があったと話します。

 詐欺グループのリーダーを知る男性:「(社会人だと)前年までの売り上げや、自分の収入の証明があるじゃないですか。会社として屋号もあるし。売り上げもすべて出しているし源泉もある。国に毎年出しちゃっている。そこはうそつけないので、それがない学生は、書類を作りやすかったんじゃないか」「(勧誘する際)一番大きいのは『人生を変えよう』とかじゃないですかね。これから就職がありますって人たちが、コロナもあって、自分の親が苦しんでいるのを見たり、『自分もそうならないために』『家族を守ろうよ』とか。『そのために、何かしなきゃね』というのが、多いと思います」

 逃亡中のリーダーの男は、金の使い方が派手だったといいます。

 詐欺グループのリーダーを知る男性:「ロールスロイスを買って乗っていて、新しくスポーツカーを買おうという話を耳にしたことがある。月に一回、家族でハワイに行っていた」

 今年2月、すでに出国していたリーダーの男。出国先のドバイでも・・・。

 詐欺グループのリーダーを知る男性:「(ドバイでの生活は)結構、楽しそうでした。一緒に行っている友達と楽しんでいたり、インスタグラムに上がったりしていました。家族でご飯食べていたり、噴水の所で遊んでいたりというのが、いっぱい上がっていましたね。1月ごろ、耳にした話では、彼が『ドバイで家を買う』というのは言っていた」

 およそ2億円の被害のうち、回収できているのは、300万円だけだといいます。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年6月6日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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