タマネギの高値が去年から続き、家庭や飲食店に影響が及んでいます。高値の背景には、タマネギの「産地リレー」がうまくいかなかったということがあるようです。買い物客からは「困ります」という声が聞かれました。
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東京・中野区にある「レストラン イト」では、たっぷりのタマネギとお肉をこだわりのデミグラスソースで煮込んだビーフストロガノフをあつあつの状態で提供しています。こちらの店で最も使う野菜はタマネギで、「1か月に約200玉使う」ということですが、今、ある問題に直面しています。
レストラン イト オーナーシェフ中澤重次さん
「年明けぐらいから、どんどんどんどん高くなってきて、(1玉)70円近いんじゃないですかね。この大きさで」
タマネギはスーパーなどで購入しているといいますが、仕入れ値は去年の倍以上に高騰しました。新型コロナウイルスの影響で遠ざかった客足が戻らない中、「さらなる痛手だ」と話します。
実際に、東京・墨田区の「スーパーイズミ」では、平年4個で100円ほどというタマネギが、4日は4個で214円と平年のおよそ倍の値段に上昇しました。
買い物客
「ちょっとやっぱり困りますね。タマネギは結構使う」
買い物客
「高いですよね、今ね。だから(タマネギ)買わない」
実は、スーパーイズミがタマネギを仕入れる価格は、2倍どころか、3倍ほどにまで跳ね上がっているということです。
スーパーイズミ 五味衛社長
「原価が3倍になったとしても、売値はそこまで(値上げ)できないので、我慢して、ほとんど利益ないような形で売っています」
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東京都中央卸売市場におけるタマネギ1キロの卸売価格(平年比)は、去年8月中旬には1キロ103円(99%)でした。3か月後の去年11月中旬には、172円(169%)に上昇しました。そして、4月1日には、1キロ272円(262%)と平年の2.6倍以上に達しました。
スーパーイズミ 五味衛社長
「やはり、去年の北海道の夏の寒波。あれでだいぶん被害出たみたいですね。徐々に、じわじわ(タマネギの価格が)あがってきたんですけど、去年の夏すぎからですね。ちょっと(期間が)長いからね」
なぜ、タマネギの価格高騰が長く続いているのでしょうか?
農水省「野菜生産出荷統計」によると、令和2年度は83万9600トンと、全国の出荷量の約7割を占める北海道の不作で、去年夏ごろから価格が上昇しました。
3月からは、全国2位の産地・佐賀県でも出荷が始まり、産地がバトンタッチされる時期ですが、佐賀県の農家に話を聞くと、今年は佐賀産のタマネギも低温・乾燥の影響で生育が遅れているため、北海道からの産地リレーのバトンタッチがうまくいかず、価格が下がらないままだといいます。
JAさが白石地区たまねぎ部会長 諸岡勝利さん
「成長がしばらく停滞して、収穫時期が10日から2週間遅れている。(北海道産から)佐賀産への産地リレーがうまくいかなかった」
しかし――
JAさが白石地区たまねぎ部会長 諸岡勝利さん
「このところの雨と気温があがったことで、(タマネギの)成長も順調に進んでおりますので」
今後は期待が持てるということです。
タマネギの価格について、農水省は「4月はまだ高値が続くものの、5月以降、気温が高くなれば生育も進み、価格も安定してくる」とみています。
(2022年4月4日放送「news every.」より)
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