陥落が近付いている可能性があります。ロシア軍は、マリウポリでウクライナ軍の兵士1000人以上が、武器を捨てて投降したと発表しました。
■ロシア「兵士投降」発表・・・ウクライナ反論
12日、ロシア側が公開した映像。場所は、ロシア軍が包囲する東部の要衝・マリウポリとされていて、激しい戦闘の様子が映されています。
マリウポリを巡り、ロシア国防省は新たな戦果があったとして、こんな発表を行いました。
ロシア国防省・コナシェンコフ報道官:「ロシア軍と『ドネツク人民共和国』の部隊による攻撃で、第36海兵旅団の1026人のウクライナ軍兵士が投降した」
この第36海兵旅団は3日前、「弾薬はもう残っていない」と、SNSに悲痛な投稿をしていた部隊です。
ロシア国営テレビが新たに公開した映像には、白旗を手にけが人を運ぶ兵士や、武器を捨て両手を挙げて歩く兵士たちの姿がありました。これは、降伏した海兵旅団の兵士だと説明しています。
一方、ウクライナ国防省は、兵士の投降について、情報がないとしています。
■マリウポリで“違法な拉致行為”続く
陥落が近いとされるマリウポリ。市民の犠牲者の数は、もはや数えられないといいます。
マリウポリ市・ボイチェンコ市長:「残念ながら、市街戦が始まったため、死者数を把握できなくなった。私たちの計算では、マリウポリの住民の犠牲者は、2万1000人まで増えた」
さらに、市当局は、多くの市民がロシアのシベリアなどに強制連行されていて、違法な拉致行為が続いていると主張しています。
マリウポリ市議会が、SNSに投稿した1枚のチラシ。連行された市民が、ロシア側から配られたものだといいます。
そこには、「ロシアの極東が、あなたを待っています」と書かれていました。
ロシアは、移住者1人につき60万ルーブル、日本円でおよそ90万円の支援金を約束。さらに、1ヘクタール、およそ3000坪の土地も、無料で提供するなどと記されていました。
■バイデン大統領 意図的に「ジェノサイド」
深刻さを増す人道危機。戦争犯罪を疑わせる実態も、次々と明らかになっています。
マンホールの中で発見された、23歳の息子の亡骸を確認して、母親は泣き崩れます。
アメリカのバイデン大統領は、これまで避けていた言葉を使ってロシアを非難しました。
バイデン大統領:「家計やガソリン代が、独裁者の『ジェノサイド』によって、左右されてはならない」
「集団虐殺」を意味する「ジェノサイド」という言葉を、意図的に使ったと強調しました。
バイデン大統領:「『ジェノサイド』としたのは、ウクライナ人の存在をプーチンが抹消しようとしているのが、明らかになったためだ。ロシアの悪事を示す証拠が集まり、惨状が明らかになってきている」
■「証人を処分」目的・・・激戦地に再配置か
ウクライナ国防省は先週、ブチャで虐殺を行ったのはロシア部隊「第64自動車化狙撃旅団」だとして詳細を公表しました。
この部隊は、ブチャからいったん隣国・ベラルーシに移動しましたが、わずか2日間休んだだけで、東部の激戦地・ハルキウに転戦してくるとの情報があるといいます。
ロシア側が、こうした強行日程を組んだ狙いについて、こう分析しています。
ウクライナ国防省:「この部隊の兵士たちを、生き残る可能性のない前線に再配置することで、不要な『証人を処分』することにある」
つまり、残虐行為を働いた部隊の兵士を戦闘で死亡させる、いわば“口封じ”の側面があるとみているのです。
■ハルキウの住宅街 専門学校など破壊
ハルキウ州で、12日に撮影された衛星画像では、幹線道路にロシア軍の軍用車が列を作る様子が確認できます。
激しく煙を上げ、炎上する建物。ハルキウの住宅地では、専門学校などが砲撃で破壊されました。
ハルキウの住民:「強力な爆発が起こって、その爆風で私の家のガレージのドアも破壊された」
■フィンランド「NATO加盟国でなければ・・・」
東部戦線で攻勢を強めるロシア。しかし、その矛先はウクライナだけにとどまらず、別の周辺国にも向けられる懸念が高まっています。
イギリスメディアは、ロシア軍がフィンランド国境近くにミサイルシステムを移動させていると報じました。
フィンランドは、NATO(北大西洋条約機構)への加盟を検討していて、反発するロシアが軍事的な圧力を強めているとみられます。
こうしたなか、フィンランドとスウェーデンの首相は共同で会見し、NATOへの加盟に向けて議論を進め、数週間以内に結論を出すとの方針を示しました。
フィンランド・マリン首相:「NATOの加盟国でなければ、NATOによる安全保障は受けられない」
(「グッド!モーニング」2022年4月14日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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