「信用できない」“マリウポリ制圧”に市民は・・・欧州メディアは・・・現地から生中継(2022年4月21日)

ロシアは、マリウポリを「事実上制圧した」と言っていますが、このニュースを、ウクライナ・キーウの市民は、どう受け止めているのでしょうか。

◆キーウに滞在しているジャーナリストの村山祐介さんに聞きます。

皆さん、ほとんどが「ロシアのプロパガンダだ」「プーチンが言っていることは信用できない」と言っているのが印象的でした。これまでロシア側の情報戦に惑わされてきたという思いがあって、今回も一つ一つの発表に振り回されたくないという気持ちを感じました。一方で、ブチャでの虐殺があり、ロシアに占領されたとき何が起きるのか。いま、包囲されているなかで、何が起きているのか。不安なまなざしを向けています。

ただ、仮に一つ一つの戦況で、ロシア側が戦果を挙げたとしても、ウクライナは押し返すということを言っている人がいました。キーウ近郊でロシア軍が撤退したことで、ウクライナが自信を深めているという印象があります。その一方で、外国人である私の取材に答えているということも念頭においたほうがいいかもしれません。弱みを見せない、不安になっていることを、外国メディアを通じて、世界に伝えてほしくないということかもしれません。

ヨーロッパ側は、このニュースをどう受け止めているのでしょうか。

◆大平一郎ロンドン支局長に聞きます。
こちらのメディアは、完全攻略ではなく、「兵力の温存」という実を取ったという見方が大半です。製鉄所は複雑な構造で、地下には防空壕もあり、ロシア軍は、度重なる攻撃で多大な死傷者が出ていたのも事実です。
イギリスのガーディアン紙は、これまで多大な死者が出ていたことから、マリウポリの“完全攻略”をあきらめて、象徴的な意味合いの強い兵力の温存に踏み切ったと伝えています。

BBCは、元司令官の話として、今後、東部で激化するであろう戦闘をにらんで、兵力を温存したのではないか。合理的な判断を下したのではないかと伝えています。

これまでロシア軍の苦戦が続いてきました。ウクライナ最大の海上包囲の拠点・マリウポリにおける攻略というのは、プーチン大統領にとって、できるだけ国内に早くアピールしたいという側面もあるという見立てもあります。来月9日、戦勝記念日を迎えます。この9日に向かって、ロシアは、できるだけウクライナで結果を残したというアピールをしたいと報じているメディアも多いです。

さらに、心配されるのが立てこもっている兵士や一般市民の命です。ロシア軍が今後、こういった方々を、ロシア軍の捕虜との交換条件にしてくると伝えるメディアもあります。プーチン大統領は「ハエ一匹も製鉄所から出さない」と発言しているのも、そういった意思があるのではないかと伝えるメディアもあります。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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