ロシア兵の“弱音”傍受・・・ブチャで「大量虐殺」か ※動画視聴の際はご注意下さい(2022年4月5日)

 ウクライナ政府が、ロシア軍が占拠していた首都キーウ近郊のブチャなどで、民間人とみられる410人の遺体が見つかったと発表しました。ゼレンスキー大統領は、日本時間の4日の夜に現地を視察し、「ロシアによる大量虐殺だ」と非難しています。

 これから流れるVTRには、遺体の映像が含まれています。「つらい」と感じる方は、無理なさらないで下さい。

■軍用車をミサイルで破壊・・・ロシア軍公開

 ロシア国防省が、新たに公開した映像です。

 森林地帯を飛行するロシア軍のヘリコプター。すると、次の瞬間、搭載されたミサイルを数発、ウクライナ軍目掛け放つと、ミサイルは命中し爆発。一瞬で、煙が立ち上ります。

 ロシア国防省は3日、森の中に隠してあった、ウクライナ軍の軍用車をミサイルで攻撃、破壊したと伝えました。

 地上では、「Z」の文字が記された戦車が確認できます。

■マリウポリ 10万人以上取り残され・・・

 ロシア軍の激しい攻撃が続いているウクライナ南東部の港湾都市・マリウポリ。ロシア兵は銃を向け、繰り返し発砲します。

 いつ、ミサイルや砲弾が飛んでくるか分からない状況で、いまだに10万人以上の市民が取り残されているといいます。

■最前線の兵士 苦しむ“砲撃の恐怖”

 ロシア軍が撤退を始めているという首都キーウ周辺。しかし、最前線のウクライナの兵士たちは今も、砲撃の恐怖にさいなまれています。

 ウクライナ兵士:「ロシアの空軍が出てくると、皆神経を尖らせる。戦闘機が来ると・・・。隠れて、早く!今のは、自走砲弾だ。我々には命中しなかった。聞こえるか?頭上を飛んでいる。向こうで命中させてから、こちらに撃ち込んでくるかもしれない。もう1発、撃った。一日中こんな感じで、わずかな間は多少静かになっていたが・・・」

■世界最大の輸送機「夢」 無残な姿に・・・

 ウクライナ政府は、首都を含むキーウ州の全域をロシア軍から奪還したと強調しました。

 キーウ近郊の軍用空港「アントノフ空港」もその一つで、奪還はしたものの、代償は大きかったようです。

 この空港には、世界最大の輸送機「ムリーヤ」が置かれていました。元々、ソ連版スペースシャトル「ブラン」を輸送するため、1980年代に開発された機体で、「夢」を意味します。

 6基のエンジンで大量の貨物を一気に運ぶことができる、世界で1機しか存在しない航空ファンにとって“夢”の機体でした。

 しかし、メンテナンス中にロシア軍の侵攻に遭い、見る影もなくボロボロに・・・。修復が不可能なほどに、破壊されてしまいました。

 記者:「ここでは侵攻開始以来、激しい戦闘が行われてきました。これは、その結果の一つです。公式情報によると、この飛行機は当時、アントノフ空港で修理中でした。別の場所へと飛ぶ時間がなかったのです。空港敷地内を歩いています。そこらじゅうに破壊された軍車両があります」

 空港職員:「とても悲しい、悲しいことですが、私たちは立て直して、また新たなムリーヤ(夢)を作らなくてはいけません」

 製造元のアントノフ社は「伝説的な航空機の取り返しのつかない損失を防ぐ」として、ムリーヤ復活に向け、世界各国から資金援助を呼び掛けています。

■ロシア兵の“弱音”傍受「プーチンは・・・」

 ウクライナ軍の徹底抗戦で、ロシア軍の士気の低下も指摘されています。

 ロシア兵:「実際、どうやって戦えばいいか分からない。武器も、すべてなくなった。もしかしたら、撤退するかもしれない」

 ウクライナ保安庁が公開した音声です。首都キーウ近郊のロシア兵の通信を傍受したといいます。

 ロシア兵:「この1カ月、俺たちはここで、何の役にも立たない戦いをしてきたんだ。プーチンはクソ野郎だ」

■ゼレンスキー大統領 グラミーで支援訴え

 前線で戦うロシア兵から不満が漏れ出すものの、依然、ロシア軍の侵攻は止むことがありません。

 ゼレンスキー大統領は3日、世界中が注目する、グラミー賞の授賞式に登場。ビデオメッセージで、ウクライナへの支援を訴えました。

 ゼレンスキー大統領:「我が国のミュージシャンたちは、タキシードの代わりに、防弾チョッキを着ている。私たちは、爆撃で恐ろしい沈黙をもたらすロシアと戦っています。死の沈黙。この沈黙を皆さんの音楽で満たして下さい。皆さんにできる方法で、私たちを支援して下さい。そうすれば、平和が訪れるでしょう。この戦争で、破壊された我々のすべての街に」

■ゼレンスキー大統領が視察「戦争犯罪」

 反戦を自らの言葉で呼び掛けたゼレンスキー大統領。その姿は翌日、多くの民間人の遺体が見つかったキーウ近郊にありました。

 ゼレンスキー大統領:「マスメディア、記者たちがここにいるのは、我々にとってとても重要です。ここで何があったのか、ロシア軍は何をしたのか、ロシア連邦は、平和なウクライナで何をしたのか。全世界に見せるのが、とても重要です。彼らの人間の扱いは、動物よりもひどいです。これは戦争犯罪で、ジェノサイド(大量虐殺)です」

 防弾チョッキを身にまとったゼレンスキー大統領。街の至る所に民間人の遺体が放置されていたブチャを視察しました。

 ゼレンスキー大統領:「数千人が殺害され、手足が切除され、女性はレイプされ、子どもが殺害され、これはジェノサイドそのものです。彼ら(ロシア軍)が、ここで何をやったのか、自分の目で見てから、交渉に励むのは難しくなる」

 「ジェノサイド」「戦争犯罪」だと何度も訴えたゼレンスキー大統領。自身のSNSでウクライナ兵と共に、変わり果てた街の姿を見て回る様子を公開しました。

 倒壊した住宅。路上には、放置された住民の遺体。ロシア兵から逃げる途中だったのか、自転車に乗ったまま倒れている遺体もあります。

■手作りの墓標・・・教会敷地に集団墓地

 ロシア軍は先月初旬に、人口3万人のブチャを侵攻し、数週間にわたって占領していました。

 ブチャ・フェドルク市長:「おととい、ここで22の遺体が見つかった」

 マンションの住民:「ロシア軍が最後に去った日、何の理由もなく、手を挙げていた男性を殺して、マンションの入り口にいた女性も殺しました」

 ブチャ市の公式ホームページで公開している、ロシア軍による侵攻前の市内の様子。自然豊かな美しい街並み。車道には車が行き交い、穏やかな日常の風景が映し出されていました。

 街の中心には、金色に輝く屋根の教会があります。しかし、この教会の敷地内は今、集団墓地になっているといいます。

 手作りの墓標には、日付と埋葬されたとみられる住民の名前が記されています。

 CNNは、住民らの証言として、これまでに150人がこの教会の敷地内に埋葬されたと伝えています。

■キーウ周辺で・・・民間人410人の遺体

 「胸が痛い・・・」と、小雨が舞うなか、涙を流す女性。ロシア軍に連れ去られた、夫の行方を探し続けていたといいます。

 女性:「13日間かけて夫を探し回りました。赤十字へ行くと、担当の人にこう言われました。『地下室に2人の遺体がある。もしかして、あなたの夫では』と。靴やズボンで、夫だと分かりました。ボロボロで暴行の跡がひどかった。ひっくり返したら、顔も陥没していた」

 ロシア軍による容赦ない攻撃で失われた多くの命。ウクライナ当局は、キーウ周辺で民間人410人の遺体を発見したと発表しています。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年4月5日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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