バイデン大統領 “アドリブ失言”慌てて火消し・・・米共和党議員「台本通り読んで」(2022年3月29日)

 ウクライナとの和平交渉に関わっていたロシアの富豪が、キエフでの会合後、一時、中毒症状を起こしていたことが分かりました。毒物による攻撃を受けた可能性があります。

■アブラモビッチ氏に“毒物攻撃”か

 日本時間の28日午後11時前、トルコ・イスタンブールの空港に着陸した航空機。降りてきたのは、ウクライナとの停戦協議に臨むロシアの代表団です。

 そのおよそ6時間後、日本時間午前5時前、ウクライナの代表団も到着しました。

 停戦協議は日本時間の29日午後4時30分から予定されていて、ロシアの影響下にあるベラルーシ以外での開催は初めてとなります。

 最近は、オンライン形式で行われていた停戦協議。およそ3週間ぶりの“対面”での協議を控え、驚きのニュースが入ってきました。

 アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルなどは、ロシアのプーチン大統領に近いとされる新興財閥「オリガルヒ」の一人・アブラモビッチ氏と、ウクライナの和平交渉担当者が、毒物攻撃を受けた可能性があると報じました。

 アブラモビッチ氏は、今月3日にキエフで行われた会合の後に、数時間視力を失うなどの中毒症状が出ていたということです。

 アブラモビッチ氏は、ロシアとの停戦協議とは別に行われた和平交渉に協力するよう、ウクライナ側が要請していた人物で、サッカー・プレミアリーグの強豪チェルシーFCのオーナーとしても知られています。

 関係者は交渉を妨害しようとした、ロシアの強硬派による攻撃だと非難しています。

 ウクライナのポドリャク大統領府顧問は、疑惑を「憶測」だと否定しました。

■ゼレンスキー大統領 “譲歩”の姿勢

 29日の停戦協議を前に、ウクライナのゼレンスキー大統領が、ロシアの複数のメディアの取材に応じました。

 ゼレンスキー大統領:「安全保障の確約と中立性、非核保有国の地位。我々は、これに向かって進む用意がある。ロシア側が一番要求していたことだ。この要求で、ロシア側が戦争を始めた」

 ウクライナの中立化について、ロシア側に譲歩する姿勢をほのめかしたゼレンスキー大統領。ただし、そのためには、第三国による安全保障と国民投票による同意が必要だと強調しました。

 つまり、NATO(北大西洋条約機構)加盟を諦める代わりに、関係国がウクライナの安全を保障してほしいというのです。

 さらに、「国民投票はロシア軍が駐留しているなかでは行えない」と述べ、ロシア軍の撤退を求めました。

 その一方で、ゼレンスキー大統領からは、こんな発言も出ました。

 ゼレンスキー大統領:「ウクライナ領土(ドンバス地方)から、ロシアを完全に排除することは不可能だろう。それは、第3次世界大戦につながる。だから私は、妥協について話している。ドンバスの問題を解決する努力をしよう」

 ロシア軍が多くの地域を支配下に置くドンバス地方について、「妥協する余地がある」と話したのです。そのうえで、プーチン大統領との直接会談を求めました。

 ゼレンスキー大統領:「ロシアの大統領との合意が必要だ。プーチン氏は、今いる場所から出て、私と会う必要がある」

■侵攻後初・・・ロシア外相が訪中へ

 28日、中国は、ロシアのラブロフ外相の訪中を発表。アフガニスタンに関する会議に出席するとしました。

 ラブロフ外相は、ロシアへの経済制裁を強める西側諸国を、「世界を制覇したがっている」と非難。中国との関係については「これまでで最も強固」と強調しました。

 ウクライナ侵攻が始まってから初めてとなるロシア政府高官の訪中。ロシア側が、中国側に何らかの支援を要請する可能性があります。

■バイデン大統領“失言”慌てて火消し
 
 そうしたなか、世界中に波紋が広がっているのが、アメリカ・バイデン大統領が26日、訪問先のポーランドで口にした、この発言です。

 バイデン大統領:「この男が、権力の座にとどまってはいけない」

 ロシアの体制転換を目指しているとも取られかねず、プーチン大統領を刺激し、事態をさらに悪化させる恐れがあります。

 この発言について、アメリカの複数のメディアは、事前に用意された原稿にないアドリブだったと報道。アメリカ国内では、「失言」との受け止めが広がっています。

 共和党 ジム・リッシュ上院議員:「頼むから大統領、台本通り読んで下さい。体制転換と言ったり、示唆したりすれば、大問題を引き起こすことになるでしょう」

 フランスのマクロン大統領も、「私たちは言葉や行動をエスカレートさせるべきではない」と自重するよう求めました。

 自身の“アドリブ発言”について問われたバイデン大統領は・・・。

 記者:「大統領!プーチンの排除、体制転換を求めているんですか?」
 バイデン大統領「違う!」

 アメリカ政府も、火消しに躍起です。

 ブリンケン国務長官:「大統領が言いたかったことは、他国に戦争や武力侵攻を仕掛ける権限を、プーチン大統領に与えてはならないということ。これまで通り、アメリカはロシアの体制を変える戦略を取っていません」

(「グッド!モーニング」2022年3月29日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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