「救世主だと見せかけ」知人がロシアに“強制連行”(2022年3月27日)

侵攻開始から1カ月以上が経ちますが、ロシア軍は攻撃の手を緩めていません。
空爆を受けた西部リビウでは少なくとも5人が負傷。先ほどロシア国防省が高精度の巡航ミサイルなどを使用したと明らかにしました。

▽“高精度ミサイル”で燃料施設など破壊
ウクライナの隣国、ポーランドを訪問中のバイデン大統領。
(アメリカ バイデン大統領)「NATOの領土に1インチでも入ろうなんて考えるな。」
この演説の直前、国境からわずか60kmにあるウクライナ西部の都市・リビウでは激しい炎と黒煙が―。燃料貯蔵所や防衛関連施設がロシア軍の攻撃を受けたのです。
(CNN ドン・レモン氏)「炎が今も燃え盛っています。消防士たちは消火剤をまいています。この種の火災では水は使えません。化学物質による火災なので水は使えません。」
27日、ロシア国防省は高精度の巡航ミサイルなどで攻撃したことを認めました。
(リビウ市長)「攻撃は、訪問中のバイデン大統領への“あいさつ”としてロシアの侵略者が行った。」
ポーランドでの演説で、バイデン大統領はプーチン大統領を強烈に批判しました。
「プーチンの侵略は、ロシア国民を世界から切り離し、19世紀へと逆戻りさせている。この男は権力の座にとどまってはならない。」
CNNによると、事前の原稿にはない発言で、この後、ホワイトハウスは「政権の転覆を意図したものではない」と釈明しました。

早期決着を目論んでいたロシア軍ですが、侵攻から1カ月以上が経過しても制圧地域は拡大せず、ロシア国防省は作戦を「ドンバス地方の解放」に軌道修正し、焦点をマリウポリに定めました。ウクライナの南東部、アゾフ海に面するマリウポリは、鉄鋼業で栄えてきた、人口およそ40万人の港湾都市。ロシアにとっては、実効支配しているクリミア半島とロシア本土を陸路で結ぶため、是が非でも制圧したい場所です。緑豊かだった街並みも、この通り・・・8割以上の住宅が攻撃を受けました。今も10万人以上が取り残されているといいます。
「道はこんな状態になっています。こんな風に走るしかないです。」
「ほとんど壁がないマンションだ」
ロシア軍の無差別攻撃で焼け焦げた建物。もはや住める場所はありません。
(マリウポリ市民)「アパートが燃えて『消してくれ、助けてくれ』と頼んでも誰も助けてくれない。目の前で人が死んでいく。水も食料も何もない。」

▽「誰も助けてくれない」飢えと強制連行
マリウポリの地元テレビ局の経営者ニコライさんは、そこら中に転がる遺体を目の当たりにしました。
(マリウポリテレビ ニコライ社長)「建物は破壊され窓は粉々になり、街の光景は元の姿を全くとどめていません。道を走っていると辺りに子ども、女性多くの人たちが横たわっているのです。恐ろしい光景でした。私の会社のビルも破壊されました。」
ニコライさんはマリウポリから無事脱出できたものの、テレビ局は攻撃を受け、スタッフ89人の内、48人の消息が分からないと言います。
「スタッフのことがとても心配です。人々を救わなければならない。日に日に状況は悪化しています。マリウポリにはもう住むことができません。」

マリウポリでは「ロシアへの強制連行」も始まっています。
「ここに来たら番号を書かれて順番に連れていかれます。」
ロシア国営テレビによると、これはあくまでも「人道支援」。
ロシア兵士「あなたと子どもは並ばなくても乗れますよ」
Q.なぜ、ここを去るのですか?
女性「ここでどうすればいいの。」
子ども「もう何もないよ」
女性「食料がなくなるから終わりです。」
この後、どうなるのか・・・市民は知らされていません。知人がロシアに強制連行されたという女性はこう話します。
(知人がロシアに強制連行された女性)「人々は寒い地下室で、水も食料も暖房も外部との接触もない状態でした。家も焼け落ち、とても怯え、常に砲撃音が聞こえる中、ロシア兵が地下室にやってきて『もっと安全な場所に連れて行ってやろう』と言ったんです。そんな状況ならどこにでも行くでしょう。」
ウクライナ外務省は「マリウポリ市民1万5000人がロシアへ強制連行される危機にある」と発表。すでに6000人が連行され、パスポートや身分証は没収されました。
「人々は(ロシア領)タガンログに集められ、そこから電車で他の地域に連れて行かれる。」
ウクライナ国防省によると、ロシア側は、連行した人々の移住先として極東のサハリンなどを提示しているといいます。
「ロシアは“助けている”と見せかけ、救世主だというフェイクニュースを作り、市民を人質にしてもっと多くのテロ活動をしようとしています。歴史を繰り返すロシアは第二次世界大戦の(ユダヤ人を強制収容した)ナチスと同じです。」

3月27日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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