北朝鮮のメディアは、金正恩総書記がきのう、新型の大陸間弾道ミサイル「火星17型」の発射実験を視察したと報じました。複数の弾頭を搭載できる「多弾頭化」が進んでいる可能性が指摘されています。
こちらが北朝鮮メディアが公開した写真です。金総書記がきのう、新型ICBM「火星17型」の発射実験を視察したとしていて、北海道沖のEEZ=排他的経済水域内に落下したと推定されているミサイルを指すとみられます。「火星17型」は高度6200キロあまりに達し、およそ67分かけて1090キロを飛行、「開発に成功」したとしています。
「火星17型」はおととしの軍事パレードで公開されていて、発射が報じられるのは初めてです。アメリカの専門家は「多弾頭化」が進んでいる可能性が高いと指摘しています。
CSISの専門家
「このミサイルは複数の弾頭を搭載できるとみている。つまり1発のミサイルで複数の標的を攻撃することができる」
韓国政府の関係者もJNNの取材に「多弾頭」との見方を示していて、韓国メディアは「ワシントンとニューヨークを同時に打撃する能力を持つようになる可能性がある」と報じています。
文在寅大統領はコメントで「朝鮮半島の安保状況が非常に厳しくなっている」との考えを示しています。
岸信夫防衛相
「今般のICBM級弾道ミサイルの発射は、これまでの一連の発射とは次元の異なる深刻な脅威」
今回のミサイル発射を受け、岸防衛大臣は、おととし10月に北朝鮮の軍事パレードで初めて確認された新型のICBM級弾道ミサイルとみられるとしたうえで、ミサイルの射程について、「弾頭の重さにもよるが、15000キロを超えうる。東海岸を含む全米全土が含まれる」と明らかにしました。
また、林外務大臣はけさ、韓国の鄭義溶外相と電話会談を行いました。今回のICBMの発射を強く非難したうえで、「国際社会に対する深刻な挑戦」だとして、日米韓で連携し、「毅然として対応する」ことを確認しました。
(25日11:30)
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