北朝鮮のメディアは、金正恩総書記がきのう、新型の大陸間弾道ミサイル「火星17型」の発射実験を視察したと報道、先ほど、映像が公開されました。
赤い炎を吹き上げ、打ち上がるミサイル。これまでのミサイルよりも長いとされる片側、タイヤ11輪の移動式発車台に搭載され、運ばれる場面も映し出されています。これは、北朝鮮の朝鮮中央テレビで先ほど放送された新型のICBM「火星17型」の発射実験の映像。
高度6200キロあまりに達し、およそ67分かけて1090キロを飛行、「ミサイル開発は成功した」と伝えていて、きのう発射され、北海道沖のEEZ=排他的経済水域内に落下したと推定されているミサイルを指すとみられます。
金正恩総書記
「新しい戦略兵器の出現は全世界に我々の戦略武力の威力を今一度はっきり認識させることになる」
発射実験を指導した金正恩総書記はこう強調し、「強大な軍事技術力を整え、アメリカ帝国主義との長期的な対決を徹底して準備していく」と語ったということです。「火星17型」はおととしの軍事パレードで公開されていて、発射が報じられるのは初めてです。
岸信夫防衛相
「今般のICBM級弾道ミサイルの発射はこれまでの一連の発射とは次元の異なる、深刻な脅威であります」
岸防衛大臣はミサイルの射程について、「弾頭の重さにもよるが、15000キロを超えうる。東海岸を含む全米全土が含まれる」と明らかに。
一方で、アメリカの専門家は複数の弾頭を搭載できる「多弾頭化」に注目しています。
CSISの専門家
「このミサイルは複数の弾頭を搭載できると見ている。つまり、1発のミサイルで複数の標的を攻撃することができる」
CSIS=戦略国際問題研究所の専門家は「多弾頭化」が進んでいる可能性が高いと分析。そのうえで・・・
CSISの専門家
「ロシアが何年にもわたり北朝鮮のミサイル開発を静かに支援していると考えている。ロシアが支援を強化し、兵器開発の面でも拡大する可能性がある」
北朝鮮へのロシアの支援が拡大し、ミサイル開発に「より劇的な進歩が見られる可能性がある」と指摘しました。
一方、今回の発射実験の狙いについて専門家は・・・
慶應義塾大学 礒崎敦仁教授
「まず、対米抑止力、国防力、軍事力を強化するっていうのが一次的な目的になるわけですよね。アメリカから攻撃を受けないためには抑止力を強化しないといけないという考え方が第一」
こう指摘したうえで、北朝鮮側はアメリカ側と対決が長期戦になると考えていて、これからますます兵器開発を進める分析しています。
一方で、韓国政府関係者はJNNの取材に5月に控えた政権交代を前に「韓国内部に揺さぶりをかける狙いがある」との見方を示し、尹錫悦次期大統領は、フェイスブックで「北朝鮮に厳重に警告する。挑発で得るものは何もない」とコメントしています。
(25日15:25)
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