マリウポリ包囲攻撃で死者1500人超 水道も寸断(2022年3月13日)

ウクライナ侵攻が始まってから18日目。ロシア軍の激しい攻撃が続いています。南東部のマリウポリはロシア軍に包囲されたまま執拗な攻撃を受け続け、すでに1500人以上の民間人が犠牲となっています

▽包囲攻撃で死者1500人超 マリウポリ
ウクライナ南東部の都市マリウポリでは、市街地への激しい砲撃が続いています。衛星画像を確認すると煙が上がる高層マンションがいくつも確認できます。辺り一面は焼き払われ、焦土と化しました。
(ウクライナ クレバ外相)「ロシア軍は空爆で街を破壊し、地上部隊で都市部を一掃しようとしている。この戦術では民間人に甚大な被害が及ぶ。」
マリウポリでは、住民の避難ルート「人道回廊」が機能せず、これまで1500人以上の民間人が死亡。40万人以上が水道やガスが寸断された中での生活を強いられています。
病院では医薬品だけでなく電力も十分ではありません。手術室を稼働させるために、通常の診療は懐中電灯の灯りを頼りに行わざるを得ません。ここには、家を失った行くあてのない住民が集まり、避難場所にもなっています。
(子どもを亡くした母親)「砲弾が家の前に落ちて、私たちは地下に埋もれていました。子ども2人、助けることができなかった。どこに逃げればいいかわからない。子どもたちを誰が返してくれるの?誰が?」
(ウクライナ ゼレンスキー大統領)
「自由を守るための戦争は17日目が終わりました。我々ウクライナ人が自ら決めた人生を送るための戦争です。ロシアの侵略者に我々は屈することはありません。」

▽市街戦を想定し・・・“兵器の訓練”
間近に迫るロシア軍の侵攻に首都キエフ近郊では、多くの場所でこうした塹壕が掘られ応戦の準備が進められています。
(ウクライナ軍支援機関代表)「我々は塹壕の至るところから攻撃できるし、対戦車兵器も十分にあります。ロシア軍はどの街角でも、どの交差点でも戦車を失うことになるでしょう。」
対戦車砲を使った待ち伏せ作戦。市街戦を想定した志願兵への訓練も行われています。
(教官)「よく見ろ!ここが一番大事な部分だ。この対戦車兵器は4つのモードで使用できる。」
(兵士)「(市街戦では)物陰から撃ったらすぐに移動してまた撃てる。そうすれば街でロシア軍は身動きが取れなくなる。」
ウクライナ南部、国内最大の港湾都市オデッサでは・・・
「ウクライナに栄光あれ!」
ここでも、ロシア軍の侵攻に備え、街中に土嚢が積み上げられていました。
(オデッサ市民)「オデッサはロシアのものにはならない。彼らはロシアに戻ることになるだろう」

▽「ここも爆撃されるのか」募る恐怖
ウクライナ侵攻から18日。ロシア軍は、北部から東部、南部にかけて攻撃を続け、掌握。首都キエフへは、三方向から進軍し、北西部では、中心部までおよそ15kmまで迫っています。
キエフ郊外で暮らすカリモフさん(31)。日に日に緊張が高まってきたといいます。
(キエフ郊外で暮らす ディバ・カリモフさん)「いたる所に銃を持った防衛隊員がいます。公共交通のバスなどはもうほとんど走っていません。薬局は長い行列ができ、4~5時間並んだことがあります。みんな不安の中にいます。何があるかわからない。次はどこが爆撃されるのか・・・」

▽ゼレンスキー氏の後ろに・・・“キメラの家”
(ゼレンスキー大統領)「ここは我々の領土であり、国家であり、我々の子どもたちが暮らしています。我々はそれら全てを守るのです」
大統領自らが撮影した映像。そこには、特異な文化と長い歴史が映し出されていました。
ギリシャ神話の怪物『キメラ』の名前が付けられた、この建物。至る所に、摩訶不思議な生き物の彫刻が施され、重要文化財にも指定されています。かつては、高級アパートとして使われていましたが、現在は、大統領公邸のひとつとして利用されていると言います。
その向かいにあるのが、『ウクライナ大統領府』。
(ゼレンスキー大統領)「夜のキエフです。ここは大統領府。月曜日です。私はいまキエフにいますし、チームも一緒です。」
ゼレンスキー大統領はこの場所から国民に、ウクライナ国内にとどまる決意を伝えました。

人口およそ290万人。そんな庶民の足となっているのが、市内に3路線ある地下鉄網。駅構内には、ドーム状の天井にシャンデリアが下げられるなど、シンプルながらも美しいつくり。
ここは、ソ連統治下に開業し、シェルターとしての役割も持っています。ロシアのウクライナ侵攻にあたり、多くの市民が避難したのが、この地下鉄の駅でした。
(避難している市民)「もう13日間ここで過ごしています。時々シャワーを浴びたり食事をしに帰っていますが、それ以外はここでの生活です」

▽「だんだん音が大きくなってきている」
「空襲警報が鳴りました。どこが攻撃されているのか、ここからじゃ確認できません・・・」
キエフ在住15年の高垣さん。今もキエフの中心部に留まり、YouTubeで戦況を伝えています。
(高垣典哉さん)「街中なんですけど誰もいません。見事に誰もいません。ここはいつもならすごい人がいるんですよ。憩いの場なんですよ。独立広場なんですけど。」
「きのうまではこんな音は全然鳴らなかったんですけどね。何か戦ってますね。」
一夜明けたきょうのキエフの状況は・・・
「今はここ4~5日攻撃が少なかったから、ウクライナの人はちょっと楽観視しているような人が多いような感じで、きのうなんかは、けっこう人が買い出しとか出てましたね。でもね、兵士はものすごくピリピリしてますわ。」
Q. (ロシア軍が)迫ってきている感覚は?
「だんだん(攻撃の)音が大きくなってきてる。」

▽武器が無くても「刀で戦う」
キエフの北西部で暮らすサシャさん。日本文化に魅せられ、オンラインで定期的に日本語の勉強をする、大の親日家です。
(サシャさん)「ここは僕の家ですね。外はほとんど出ないんです。まだ外でいろいろ爆発するんです」
最近、自宅からわずか500mの場所で砲撃があったといいます。
「僕は家に地下を持っているから。なかなか安全なところだと思う」
「(戦争が始まって)3日目に家族を避難させ、志願兵の申し込みに行きました。『部隊が編成されるまで待つように』言われ、10日近くかかると言われた」
一人、キエフの自宅に残り、志願兵として、ロシア軍と戦う覚悟です。
「僕の後ろに刀がある。敵が来れば、まだ武器が手に入らなくてもその刀を使う。自分の手でその武器を取る。すぐに(軍隊に)行きたい気持ちです」
サシャさんは、今月はじめから、ウクライナ国内の情報を日本語に翻訳し、SNSにアップしています。
「信頼できる情報源で(確実な情報だと)証明できる動画や写真を選ぶようにしています。」
「ロシアの指導者は、ヒトラー時代のドイツのように嘘に基づくプロパガンダとフェイクニュースで人々の魂まで汚してしまいました。(プーチン大統領のような)人が他の国に現れないようにするべき。」

3月13日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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