停戦交渉の行方は 日夜攻撃に怯え「もう耐えられない」(2022年3月15日)

 ウクライナ情勢を巡って、「中国が、ロシアの要請を受けて軍事支援の意向を示した」とアメリカメディアが報じて、波紋が広がっています。中断されている4度目の停戦交渉は、15日午後、再開する見通しです。

 ウクライナ側が交渉に期待をにじませて始まった4度目の停戦協議。

 15日の再開を前に、ゼレンスキー大統領はこう話しました。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「4回目の停戦協議に関しては、話し合いは良い方向に進んでいると思いますが、結果はまだ完全に出ていません。交渉はこれからも続きます」

 事態が好転し、停戦合意に向かうことはあるのでしょうか。ただ、ウクライナ交渉団のトップは14日の協議中に、こうツイートしています。

 ウクライナ、ポドリャク大統領府顧問(ツイッターから):「困難ではあるが、意思疎通は行われている。意見が一致しない理由は、政治体制が非常に異なっていることにある」

 中断の理由は、話し合いのなかでの、追加作業などが発生したからだといいます。

 一方で、停戦協議中もウクライナへの攻撃は続いています。

 ロシア軍に包囲されているウクライナ南東部マリウポリ。炎が噴き出る建物のなかで、誰かが手を振っています。と、その時、住民たちはシェルターに逃げ込みます。

 マリウポリでは電気、ガス、水道と、ライフラインが途絶え、ギリギリの生活を送るなか、ロシア軍の攻撃にさらされているのです。

 一方、そのマリウポリで人道回廊が設置されました。

 マリウポリ当局は14日、人道回廊により、160台以上の車が脱出したと発表しました。

 ロシア軍が迫る首都キエフ、男性が歩いていると、画面奥で、なんと、建物が爆発しました。夜になると、ミサイルが夜空を照らします。昼も夜も、ロシア軍の攻撃におびえる毎日。首都キエフでは、これが今の日常になっているのです。

 キエフ市長:「これがロシアの民間人に対する戦争の姿です。破壊されたビル、破壊されたインフラ。市バスがロケットに攻撃されました。命が失われています。これがロシアが始めた戦争です」

 キエフ市内に住む、ブルリャイさん。朝にもかかわらず真っ暗な訳は。

 キエフ在住ウクライナ人、アレクシェイ・ブルリャイさん:「敵の的にならないように、念のために(外が)暗い時は(つける)電気は少ない方がいい」

 実はブルリャイさんの自宅は、14日にロシア軍が攻撃した集合住宅からわずか数キロしか離れていません。

 キエフ在住ウクライナ人、アレクシェイ・ブルリャイさん:「爆発はちょうど仕事中にあったから、少し安全な部屋に移動しました」

 4回目の停戦協議については。

 キエフ在住ウクライナ人、アレクシェイ・ブルリャイさん:「大きい希望は持っていませんが、その会議は続けば続くほどいいですね。良い結果になる可能性が結構高いと思います」

 ロシアによる侵攻が続くなか、国連のグテーレス事務総長は、危機感をにじませています。

 国連・グテーレス事務総長:「かつては考えられなかった核戦争が再び現実味を帯びてきた」

 「この戦争に勝者はない。敗者だけだ」。こう話すグテーレス事務総長は、即時停戦を訴えました。

 しかし、戦闘が激化する恐れがあります。ウクライナ側は、停戦を望みながらも、ゼレンスキー大統領は、国民を鼓舞し続けています。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「侵略者はまだ我々の土地にいる。全力で戦おう。街を村を守ろう。国土の隅々まで守り抜こう。私たちの魂を守ろう」

 こうした声に呼応するかのように、国外にいったん避難したウクライナ人、およそ1万4000人が、再び、ウクライナに戻って来ているのです。戦闘などに参加するためだとみられます。

 対するロシアも、兵の数を増やす可能性があります。中東シリアの傭兵(ようへい)です。

 NGO「シリア人権監視団」・アブドルラフマン代表:「我々の情報源によると、ロシア軍に訓練された民兵が、ここ数日の間にロシアに到着し始めた。多くの人が募集に応じている。プーチン大統領が好きだからではなく、生活が苦しく生きていくお金が必要だからだ」

 NGO団体の代表によりますと、シリアでは13日までに、4万人以上がロシア軍の傭兵の登録を済ませたというのです。

 ロシアからは、1カ月あたり1000ユーロ、およそ13万円の給料や、死亡した際の補償が約束されているというのです。

 実戦経験があるシリア人傭兵の投入は、戦闘を悪化、また、泥沼化させる可能性もあります。そんななか注目されているのが中国の動きです。

 ホワイトハウスによりますと、アメリカの国家安全保障を担当するサリバン大統領補佐官が、中国の外交トップ、楊潔チ政治局委員と、ローマでおよそ7時間にも及んで会談を行いました。

 ロシアが中国に、軍事、経済の両面で支援を要請したと報じられるなか、ロシアへのいかなる支援もやめるよう求めたとみられます。

 アメリカ、サリバン大統領補佐官:「ここで公然と脅しをかけるつもりはないが、中国政府には『大規模制裁の回避や補給などの支援には相応の措置を取る』と直接伝えた」

 果たして、中国からロシアへの軍事支援はあり得るのか。そして、中国の存在は戦況に影響を及ぼすのでしょうか。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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