避難中に砲撃8人死亡「人道回廊」実現は? 避難者150万人“戦後最大の難民危機”(2022年3月7日)

 ウクライナで避難中の住民が砲撃を受け、8人が死亡しました。こうしたなか、ロシア軍が避難ルートを確保する“人道回廊”の実施を発表しました。 

 住民が避難している、その時です。

 兵士:「頑張れ!怖くなかった?偉いね」「皆そばにいるね。ママは?」

 住民が逃げてきた首都キエフ近郊の町では・・・。

 ウクライナとロシアとの3回目の停戦協議は7日にも行われる可能性があります。

 ただ、プーチン大統領はトルコのエルドアン大統領との電話会談で「ウクライナが抵抗をやめ、ロシアの要求をのむまで作戦を続ける」と侵略を継続する意思をみせています。

 そして、前回の停戦協議で合意した住民を避難させるための人道回廊は・・・。

 ウクライナ・マリウポリ、ボイチェンコ市長:「日中の9時から17時は停戦になると言われた。しかし、ロシア軍は(避難のための)バスの車列を砲撃し、半分を破壊した」

 5日に予定されていた一時的な停戦は実施されず、6日も住民の避難が試みられましたが・・・。

 ウクライナ、ベレシュチュク副首相:「残念ながら、きょうもまたロシアの砲撃によって人道回廊を開くことができなかった」

 ロシア国営テレビによりますと、ロシアの国防省はフランスのマクロン大統領の求めに応じ、日本時間の7日午後4時からキエフ、ハリコフ、マリウポリ、スムイで人道回廊を設置するとしていますが、避難が実現するかは不透明です。

 ロシア軍は避難する民間人も攻撃しています。

 画面の奥、避難する住民が歩いています。そこに・・・。

 現場にいたニューヨーク・タイムズによりますと、この攻撃で女性、その10代の息子、8歳くらいとみられる娘、家族の友人の4人が殺害されました。

 イルピンの市長は避難中の市民8人が殺害されたと発表しています。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「街から避難しようとしている時に殺された。どれだけの家族がウクライナでこのように死んでいくんだ?許さないし、忘れない。この残虐行為に関わったすべての者に罰を与える」

 ウクライナの隣国ポーランドにはウクライナ政府の呼び掛けに応じた外国人義勇兵が続々と集まっています。

 イギリス人義勇兵:「冷静で落ち着いているよ」「(Q.怖くない?)ちっとも怖くないよ」「(Q.戦場経験は?)あるよ。2人とも戦場経験がある」

 ウクライナのメディアによりますと、すでに52カ国の2万人が志願しているということです。

 その一方、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のグランディ難民高等弁務官はロシアによる侵攻が始まってから10日で難民が150万人以上になったと明らかにしました。

 第2次世界大戦以降、ヨーロッパで最も急速に拡大している難民危機だとしています。

 ハリコフから避難した人:「ロシアは人道回廊を作ると約束したが爆撃と砲撃を続けている。約束しても安全じゃない」

 男性はキエフに住んでいましたが、ロシア軍の侵攻が始まる前に出張でポーランドに来ていました。

 家族を待つ男性:「家族を安全な所に連れていくため国境で待っているんだ」

 そして・・・。

 家族を待つ男性:「(Q.今の気持ちは?)すごくうれしいよ」

 再会もあれば、別れもあります。

 ルーマニアにはドナウ川をさか上り、難民が到着しました。

 オデッサからの難民:「家族は完全に引き裂かれました。両親と夫を残してきたから」

 スロバキア国境に到着した11歳の男の子。左手には電話番号が書かれています。

 リュックサックとビニール袋を持ち、約1000キロ離れたウクライナ南東部ザポリージャから1人で避難してきました。

 少年の母親:「1人で動けない母を置いていくことができなくて、息子だけを電車に乗せて国境に送り出しました。どうか、ウクライナの子どもたちを救って安全な場所を与えて下さい」

 戦火を逃れ、国境を超えるその多くは女性と子どもたちです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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